41 ページ41
side青
カーテンの隙間から太陽の光がのぞいて
コーヒーの香りが漂う。
「はい、どーぞ」
『…ありがとう』
少し気恥ずかしいそうに、きちんとお礼を言う。
コーヒーは飲めないのに、俺が飲んでたから
飲みたくなったらしい。
「どう?」
『…苦い』
「だから、言うたやん。笑」
パシャリと部屋に響くシャッター音。
カメラのレンズを向けるのは
俺の彼女。
『…ねぇ、章大って何で2年で専攻変えたの?』
「え」
『前は写真専攻だったよね』
そう、去年は写真専攻やった。
絵の方に変えたのは今年から。
『どうして変えたの?』
Aのその質問はすごく普通で素朴な疑問。
逆に今まで理由を聞いてこなかったのが不思議だった。
「…写真を撮るのがイヤになってん」
趣味だった写真を学びたくて、写真専攻にした。
入学してすぐの春課題の写真を撮るために、公園へ行った。
“「何撮ってるの?」”
そこで出会ったのがヒカリだった。
それから、俺はヒカリをモデルに写真を撮り作品に出すことが多くなった。
「…1年の文化祭で出すはずやった制作発表の写真出してないねん」
『えっ』
「ヒカリが作品撮りの当日、こーへんかってん」
ヒカリをモデルに俺が作品を出す度に
容姿端麗だったヒカリは注目を浴びて
みんなは”写真”ではなく”ヒカリ”に注目するようになっていった。
ヒカリはもともと芸術家としてそこそこ名があったけど、それからどんどん有名になった。
俺はヒカリを有名ににするための道具にすぎなかった。
「だから、写真をやめた」
あの時はヒカリのことを許せなかった。
けど、2年で
「Aに会った」
今は変えてよかったて思う。
ヒカリのことも理解できた。
だから、俺は
「これからはAを撮る」
写真に彼女を写して
思い出をいっぱい作る。
そんなことが俺の楽しみ。
574人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひろみ(プロフ) - 紗さん» なんもです! (2019年4月7日 19時) (レス) id: c44bf9e494 (このIDを非表示/違反報告)
紗(プロフ) - ひろみさん» あたたかいお言葉ありがとうございます。がんばります!(^^)! (2019年4月7日 17時) (レス) id: 1d282aab71 (このIDを非表示/違反報告)
ひろみ(プロフ) - お疲れ様です!ゆっくりで構いませんのでどうかご無理だけはなさらずに…… (2019年4月7日 4時) (レス) id: c44bf9e494 (このIDを非表示/違反報告)
紗(プロフ) - せつさん» ありがとうございます!!もうラストスパートなのでかんばります! (2019年3月17日 0時) (レス) id: d2cf8ed97e (このIDを非表示/違反報告)
せつ(プロフ) - 紗さん» ぜんぜんゆっくりで大丈夫です!!楽しみに待ってます! (2019年3月16日 14時) (レス) id: 301b4adaab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紗 | 作成日時:2018年10月24日 12時