∞ ハ ウ ス 。【緑】

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side緑









『おーくら！見て！ぐるぐるポテト！！』



『やっぱり、ミルクせんべいって食べたくなるよね』



『あつっ！このじゃがバターできたてやん！』









ぐるぐるポテト、ミルクせんべい、じゃがバター。









ここ来てからずっと何か食べてるA。




俺も食いしん坊言われるけど、Aには負けるかな。笑









『おーくら？何で笑ってんの？』



「ん？いや、楽しそうやなーって」









まだ花火も始まってないのにこのテンション。









確かに屋台とかって、来るだけで楽しくなる部分あるよな。









人が多いからか、暑いせいか分からんけど

繋いでる手が暑い。









Aが何かを口にする度、離れる手。




ほんで、また遠慮そうに繋ごうとして来る。









それがもう可愛くてたまらん。笑









『そーいえば小学生の時、おーくらと祭り来て迷子なったことあったな』



「あー、あったな。俺ら結構小さかったな」









たぶん、3年生くらいの頃。


Aの家族と俺らの家族で大きい祭りに行ったことがあった。









確か俺とAはお母さんに

「はぐれるから絶対離したあかんで」って

手繋いでた。









「A！見て！カメすくいやって！」



『え！ほんまや！！すごーい！！』









それは一瞬の出来事で、親の視界から消えた俺たちは気づけば迷子になってた。









『おーくら…どうしよう…』



「大丈夫やって。俺がおる。
けど、手絶対離したあかんで」









知らん場所で、たった2人。





その頃は小さかったからか、見るもの全部が大きく見えて怖かった。









けど、俺が守らなあかん。


心の中のどっかでそう思ってた。









_________ドオォォォン！！！__________









！！









『うわ、すごい…』









爆発音のような激しい音とともに、打ち上がったそれはキラキラと輝いていて。









それを見る横顔も



浴衣のせいか





いつもと違うくて。









『キレイ…』



「…Aもな」



『え？何て？花火の音で聞こえへ…』









リップ音は花火の音にかき消された。

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