10年ぶりの母国と出会い:7 ページ9
主人公side
なんやかんや、アッシュにお小言を挟まれながらも僕らは準備を終え、伊部さんにあとは任せて休憩していた。
英ちゃんと壁に寄りかかって休憩していると、何を思ったか英ちゃんはアッシュに声をかけ出した。
「その銃…本物だよね？」
「え？…どういう意味？」
アッシュは、質問の意図がわからず疑問に疑問で返した。このアメリカの地、ましてやこんな場所だとそうもなるだろう。
『日本だと、銃は特定の人物以外の一般人が使用したり、所持したりすることは禁止されているんだ。アメリカではそれがないから当然本物だけど、英ちゃん目線ではわかんないから聞いたんだと思うよ』
なんとなく、英ちゃんが考えていたことを汲み取り話す
「そ、そう！日本じゃモデルガン以外持てないんだ…ちょっと持たせてくれないかな？」
『…は？』
英ちゃん何いってんだ？なーんて顔をしてると、周りもざわつき出す。視線が痛い。
「ちょっ…ちょっとやばいよ英ちゃん…太陽君も止めてよ〜」
伊部さんは焦った声で僕らに言う。
「いいよ」
「え？」
周りの人間は驚く。
いや、僕も驚いてる。
そんな僕の隣で英ちゃんはアッシュから銃を受け取り、持っている。
「わぁあ…すごい！ずっしり思いや…。へえ、ありがとう。大事なものを」
そうして英ちゃんはアッシュに銃を返す…。
「……お前は？持たなくていいのか？」
『えっ…じゃあちょっと見ようかな〜』
アッシュの意外な一言に僕は同意して持たせてもらう。
『…S&W.357マグナム…？』
よく日本のアメリカンなドラマとかで使われてるやつじゃん。アメリカの警察もこれ使ってたんだっけ。
僕はふと銃の種類に心当たりがあったのでポロッと呟いてしまった。
「…お前、銃と縁のない国の割に詳しいのか？」
『…日本じゃアメリカが舞台のドラマや映画でこれが使われていることが多かったんだよ。だから知ってただけ』
「…そういうものなのか」
『うん。ありがとう』
そういって僕は銃をアッシュに返した。
最も、僕の場合はお父さんやその知り合いに拳銃の使い方を教えてもらった際にこれは触ったことがあるんだけど。当てるの難しいんだよねこの種類…。
ていうか、お父さんの知り合いの師匠、恐かったの思い出したじゃん…。
ポーかフェイスを、と思って淡々と話していたのに入らないところで身震いしてしまった。あの鬼め。二度と会いたくない。
そう思い出していると、アッシュと英ちゃんはまた会話をしていた。
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作者名：津雲 | 作成日時：2023年2月13日 20時
