夜明けと夕焼けの兄弟【リメイク版】 (ページ4)

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10年ぶりの母国と出会い:2 ページ4

主人公side

危険が絡むと言うことで、育ての両親には渡米を大反対された。

ただ、僕の記憶についてと、英ちゃんのことを知る両親は悩んだ末、了承してくれた。

ここまで心配してくれて、それでも僕の気持ちを汲んでくれた両親には本当に感謝している。
血がつながっていなくても、家族になれることを教えてくれた。大人をもう一度信じるきっかけをくれた。本当にありがとう。

そして、今は家を出る前で、両親に見送られるところだ。

『それじゃあ、いってくるよ。お母さん、お父さん』

「太陽、怪我や無茶はしないようにね？奥村君や伊部さんの言うことをしっかり聞くのよ？…それと、家族に逢えたらしっかり挨拶するのよ？」

お母さんはふわふわ優しい人。でも、家のため、僕やお父さんのことをよく考えて動いてくれる人。本当に優しくて真っ当な人で尊敬できる大好きな人。

『わかってるよ！お土産も買ってくるし、連絡もするから待ってて！』

「危険なところに行くんだろ？…いざ危険になったら父さん直伝の空手と拳銃でぶっ放してやれよ！あの国ならその辺に銃も落ちてるだろ」

ガハハと漫画のような笑い方をするこの人は、僕のお父さん。
お父さんは結構発言の通り荒い性格をしているけど、とてもあたたかい情熱のある人。普段は国のために働く警察官をしている。国だけじゃなくて、僕やお母さんを守ろうと懸命に生きている姿が尊敬できる大好きな人。

「自己防衛に対人として空手は兎も角…拳銃はアウトでしょ！？」

「そうよ！いくら拳銃が合法の国だからって人を傷つけることはダメよ！」

「わーってるよ！まあでも、米国はそれだけ危険だし、まして太陽が行くところはもっと危険だからな。気をつけてくれってことだ」

『見送りの言葉にしちゃーキツイ冗談だよお父さん…』

…なんだかんだ米国生まれの僕が日本でも生きやすいように、自分の身を守れるようにと色々仕込まれたのは今回の渡米にはよかったのかもしれないとクスッと笑ってしまう。

まあ、もし、英ちゃんと伊部さんが危険に晒されるようなら僕の力を使ってでも守るんだけどね…。

さて、そろそろ行くか。

『それじゃあ！今度こそいってきます！』

「「いってらっしゃい！！！」」

そうして、2人に見送られながら僕は空港を目指した。