夜明けと夕焼けの兄弟【リメイク版】 (ページ14)

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10年ぶりの母国と出会い:12 ページ14

主人公side

バイクに乗って、車の後を追った僕らは廃工場のようなところに着いた

辺りはもう真っ暗だ

バイクを降りたアッシュの後ろをついていく

「オーサーいるんだろ？…出てこい」

オーサー…アッシュがそう言った。多分そいつが酒場に乗り込んだ集団と、英ちゃんとスキップを攫った首謀者なんだろう

僕はアッシュから数歩下がったところで様子を伺う

「よぉ…ボス。罠だってことはわかってたろ…なぜ来た？」

「お前とはいつか蹴りをつけなきゃいけないと思ってるからさ」

現れたアッシュとは違った金髪の男の放った発言に、アッシュはそう返した

やはり、アッシュの敵対勢力の男なのだろう

いくらアッシュがここら一帯をまとめ上げていたとしても反対する奴は少なからずいるはずだ

それに、多分…発言的にもこの男とアッシュには因縁が見られる

だからアッシュの仲間であるスキップを攫ったのだろう

スキップはアッシュの側近みたいで、信頼されてるみたいだし…何より僕よりもまだいくつか歳下で力も大人に比べたら弱いから攫われる対象になったのだろう

外道なやり方だ…

「スキップはどこだ？」

「残念だがこの件は、もう俺たち2人だけの問題じゃねぇんだ」

ｶﾞﾗﾗｯ

オーサーがそう言い放つと、廃工場のような建物のシャッターが開いた

「アッシュ！！太陽兄！！」

「太陽君…」

『英ちゃん！！スキップ！！』

2人の安否を確認し、一先ず落ち着く…ただ、ここからが問題だ

拘束されている2人をどう連れ戻すかが問題だ

僕がそう考えていると、サングラスをかけた太っちょなおっさんがシャッターから出てきた

「ようこそ、アッシュ・リンクス…それとそのお友達」

「！？…そういうわけか…組織の犬に成り下がるとはお前も落ちたな…オーサー」

どういうわけかはわからないが、サングラスのおっさんもアッシュと顔見知りらしい

…多分、組織ってのがサングラスのおっさんのことでなにか勢力の幹部的なやつなんだろう、それでオーサーがそれに加担したってわけか

何から何まで外道だな…

「お前のやり方は手ぬるいのさ…さ、銃を捨てな」

「ダメだアッシュ！殺されるよ！」

オーサーの発言にスキップが反応した…かといって、言うことをのまなければ英ちゃんとスキップが危ないだろう

「2人を離せよ」

「アッシュ…」

「コイツはなんだ？スキップが庇ってたそうだな…後お前の後ろにいるやつも…見かけない奴だ」

そう言ってオーサーは英ちゃんの目の前に立った