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大谷「ってAが話してたんですけど、本当なんですか？」
翌朝、大谷は昨夜の事を聞くために栗山監督の元へ訪れていた。本当に如月はスタメンに入れないつもりなのか。あんなにも優秀な者をそんな枠に入れていいのか。色々言いたい事はあるが恩師を前にそんないっぺんには聞けない。
栗山「うーん、実は悩んでるんだよね。彼にはそう言われたけど、僕からしたらバンバン出してあげたいし」
大谷「なんか自分の事切り札とか訳わからない事言ってましたけど…」
栗山「いや、実際彼は切り札だよ。良い意味で彼は周りの空気に呑まれない。万が一相手に得点を許しても何食わぬ顔で得点を奪い、そして抑えるのが如月Aという選手なんだ」
大谷「…！」
"でも残念ながらそんなに出番は無いと思いますよぉ"
"何でってそりゃあ大谷サンみたいな優秀な選手がたくさんいるからですよ。俺じゃなくても事足りるんです。"
今になってようやく如月の言葉を理解する。如月は絶対に勝つと信じた上で自分の番は無いと言ったのだと。
だがそれにしてはあまりにも贅沢な使い方だ。いくら優秀な選手が招集されてるとは言え、如月はその中でも群を抜く実力者。もっと活躍するべき選手なのだ。
大谷「本当に代わりでしか出さないつもりですか？」
栗山「僕はもっと如月を出したいと思ってるよ。あとは如月の気持ち次第だ。切り札なんてちっぽけな枠に収まったままでいいのか、その殻を破るのか。どちらを取るかは彼次第だからね」
大谷「……昨日、Aが一人で投球練習をしてるのを見ました」
栗山「…うん」
大谷「あの時のAの顔は決して遊びでもなんでもない、本気で世界一を取りたい顔でした」
栗山「ふふ、そうだろうね。彼は素直じゃないだけで本当は野球が大好きなんだよ。じゃなきゃこの場に居ないはずだからね」
いつまでも面を被って本心を晒さない如月。搦手のように何かに纏わりつかれてるのか、もしくは自分がしがみついているのかは分からない。それでも同じ野球を愛する者として、複雑なままで終わりたくはないものだ。
あの時約束した如月の野球が楽しいという言葉を聞くためにも、ここは自分が布石になるしかない。
大谷「Aの事は俺に任せてください」
栗山「あぁ、頼りにしてるね」
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キョンシー(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月19日 8時) (
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