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日本が盛り上がりを見せたのは吉田の打席からだった。近藤がライト前ヒットを打ち、メキシコはここでピッチャーを代える。大谷がフォアボールを選び、一塁二塁のチャンス。次の吉田は低めのボール気味の変化球を掬い上げ、そのボールはライトへと向かう。
途端に歓声が湧き上がり、それがホームランだと分かった瞬間、ベンチは大きな盛り上がりを見せた。佐々木に至っては喜びすぎて帽子を投げつけている。
あまりの喜びように如月は一人ドン引きしながらも、ほんの少し離れたところで拍手をしていた。
中野「A！！まじやばい、どーしよ！！」
「はしゃぎすぎでしょ」
中野「いやだって同点！！」
「知ってる」
ベンチへ戻ってくる吉田も嬉しそうな表情をしている。すぐ側で興奮しすぎた大谷がヘルメットをガンガンとぶつけていた。それくらい今のホームランは価値があるのだ。
「吉田さん、ナイスでした」
吉田「A君こそ抑えてくれてありがとう！」
「俺は別に、」
吉田「いやまじ助かってるよ。A君のあの堂々した姿、本当かっこいい」
「吉田さんの方がかっこいいですけどねぇ」
二人ともかっこいい、そんな事を周りにいた者は思いながら、冷めきらない興奮を抑えようとしていた。
喜びも束の間。山本は一死後にアロザレーナ、ベルドゥーゴの連続二塁打で勝ち越し点を奪われ、メネセスに左前打を許したところで湯浅と交代した。どこか緊張した表情でチラリと如月を見る。小さく頷いて目配せをすれば、湯浅も小さく頷いてマウンドへと向かった。
死二、三塁からパレデスの左前打で５点目を許したが、二塁走者の本塁突入をレフトの吉田が好返球で刺した。緊張感高まる場面だったが更なる失点を防いだ湯浅。
湯浅は安堵の表情で戻ってくると、当たり前のように如月の隣に腰を下ろした。なんだか隣同士に座るのは新鮮だ。
湯浅「Aさんとは短い会話しかできてないから、こうやって話せるのが嬉しいです」
「いつでも話せるでしょ」
湯浅「いつでも話しかけていいですか？」
「やっぱいつでもは無理」
湯浅「えー」
「えーちゃうわ」
湯浅「……Aさん」
「ん？」
湯浅「この前の続きです。頑張れじゃなくていいので、頑張ったって褒めてくださいよ」
「……優勝したらね」
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キョンシー(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月19日 8時) (
レス) @page3 id: 84d2022181 (このIDを非表示/違反報告)
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