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一人項垂れる村上の姿を見つけ、如月は思わず足を止めた。先ほど山田に言われた言葉を思い出し、声を掛けるか悩む。村上は自分に降り注ぐ影に気付き、虚な表情で顔を上げた。
村上「……ぁ、如月さん」
「……」
村上「す、すみません…」
何も発しない如月に臆して思わず謝る。なぜ謝られたのか理解が出来ない如月は、少し目を細めて村上の隣に腰を下ろした。その場から立ち去ろうとしていた村上の膝を強く押し、座るように促す。
村上「……俺、空振りばっかりっすね」
口を開いたのは村上の方だった。自虐気味に笑って再び俯く。
村上「せっかく四番を任されたのに、みんなの期待に応えられないし」
「気にしなくていい……なんて陳腐な言葉は嫌いでしょ。その通りだよ。早く打て」
村上「……はい」
「ま、打てるなら打ってるよね」
村上「…如月さんは」
「……」
村上「まだ俺の事信じてくれますか？」
掘り起こされる中国戦での村上との会話。不安そうな目で自分を見つめる村上を、山田にされたように頭を撫でてみた。荒れた髪が更に乱れる。如月さん、と情けない声で呼ぶ村上の声はどこか嬉しさが含まれていた。
「＿＿信じてるからこうやってお前と話してるんだよ」
六回。日本先頭の大谷の第四打席は空振り三振で終わった。続く村上はほぼ真ん中のストレートを綺麗に左前に流し打った。ようやく飛び出たクリーンヒットだが、打率に表せば一割を超えたところ。村上自身も素直には喜べない様子で、控えめにペッパーミルパフォーマンスをした。
(………確かに自分の前にあんな
大谷を盗み見る。いとも簡単にやってけない事をやり遂げる超人だ。スランプになるのも無理はない。それでも必死に喰らいつく村上も、拍手を送りたくなるだろう。
「村上」
村上「…！如月さん」
「ん」
戻ってきた村上に拳を突き出す。驚いた様子の村上だったが、恥ずかしそうに拳を突き出した。
岡本「嬉しそうやん」
村上「！はい」
岡本「……如月さん関連？」
村上「まぁ、そうっすね」
岡本「……宗が打った時、如月さんもちょっと嬉しそうにしてたって」
村上「え。どこ情報ですかそれ」
岡本「牧」
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キョンシー(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月19日 8時) (
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