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7回時点で日本は8点、チェコは2点と差をつけていた。何度か危なげな場面はあったが、お互いがカバーをしあい無失点に抑えていた。
「代打？」
大谷「そう。俺の代わり」
「…そうですか」
大谷の代打として送り出された牧の姿を見つめる。大谷の代打なんてとんでもないプレッシャーだ。畏れ多いと感じる者もいるだろうが、牧ならきっと大丈夫だろう。もちろん自分もだが。点差も離れているため、牧のプレッシャーは多少は緩むだろう。
大谷「それで脇腹は？」
「平気です」
大谷「すぐに復帰できそうなの？」
「大丈夫じゃないですかねぇ」
大谷「俺は本気で心配してるけど」
適当にはぐらかす如月を思わず睨む。他の者であればすぐに謝罪の言葉を口にしていたであろう。そんな大谷の圧を呆気なく交わし、如月は肩をすくめた。
「俺が大丈夫って言ってる以上大丈夫です」
大谷「その割には時々脇腹抑えてるじゃん」
「そんなもの俺の勝手でしょう」
大谷「でも＿」
盛り上がる歓声に二人は思わず口を閉ざした。高めの変化球を捉え、レフトスタンドへソロホームランを打った牧。大歓声を浴びながらダイヤモンドを一周し、ベンチへと戻ってくる。
大谷「……デスターシャ参加してくれば？」
「絶対嫌です」
大谷「だから俺の隣に居てくれるの？」
「さようなら」
大谷「はい逃げない」
「…こんなの相手してる水原さんが凄いですね」
大谷「こんなのって俺のこと？」
「よくお分かりで」
なんてない会話をしていれば牧がやってくる。笑顔でハイタッチを交わす牧に向かって自身も手を出す。ほんの僅か驚いた表情を浮かべた牧だったが、嬉しそうに如月とハイタッチを交わした。
大谷「……ねぇA」
「嫌です」
大谷「まだ何も言ってないけど」
「手短にお願いします」
大谷「分かった。メジャー挑戦してみない？」
「は？」
まさかの言葉に如月は口を開けたまま大谷を見た。少しして小さくメジャー、と言葉を溢す。
大谷「Aなら全然通用するし、単純に俺がAと野球したい」
「……」
大谷「…なんて、結局は俺のワガママなんだけどね。ごめん、忘れて」
どこか寂しげに目を伏せた大谷はそのまま前を向いて試合を見守る。如月はじっと大谷を見つめながら、大谷に言われた言葉を反芻していた。
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キョンシー(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月19日 8時) (
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