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ノック音が響いた部屋。如月は返事をする事なく扉を見つめる。一体誰が自分に用があるのだろう。そんな好奇心も湧いたが生憎動く気はない。じっと反応を待っていれば、扉の向こうからか細い声が飛んできた。
佐々木「……如月さん、いますか…？」
(佐々木…？)
なぜ自分の元に佐々木が来るのか理解が出来ない。せいぜい仲の良い宮城や�盒兇燭舛藩蹐鵑任い襪隼廚辰討い燭�ら余計に頭が追いついていなかった。
佐々木「……如月さん」
意外と佐々木も頑固な節がある。いつまでも扉の前にいても迷惑だ。如月は咳払いをして扉に向かって声をかけた。
「何？」
佐々木「…！あ、すみません。えっと……」
扉の前でおどおどしている様が浮かぶ。早く要件を言えばいいのに。そう思いながら仕方なく立ち上がり施錠を解いた。
「……とりあえず部屋入りな」
佐々木「あ、ありがとうございます」
大きな体を小さくして如月の後をついて行く。佐々木はどこか座る場所を探してキョロキョロと見回すが、当てはまるものは無く黙って床に腰を下ろした。一方如月は、再びベッドに横になり脇腹を抑えた。
佐々木「……まだ痛みますか？」
「……」
佐々木「………すみません。こんな時に如月さんの部屋を訪れるべきではないと思ってるんですけど…その…」
「……明日の事？」
佐々木「…はい」
「それは先発に対して？それとも……思い出しちゃうの？」
佐々木「両方、ですね」
その言葉を聞いて如月は起き上がった。背もたれに身を任せ、床に座る佐々木を見る。不安そうな佐々木の表情＿＿どう見ても先発を任せられるような気迫はない。
「……あの日から12年くらいやな？」
佐々木「…そうです」
「被災地の人たちの期待も受けて日本を背負ってる。プレッシャーは大きいだろうけど、お前は堂々とマウンドに立ってればいいよ」
佐々木「…如月さんって、意外と優しいんですね」
「何や意外とって」
佐々木「後もう一つ……良いですか？」
まだあるのかよ。そう言いたげにジロリと見れば、いつの間にか距離を詰めていた佐々木は如月のベッドに手をついていた。
佐々木「戸郷さんの時みたいに俺にも言ってほしいです。頑張れって」
「…はぁ？」
彼らの間で流行っているのだろうか。少なくとも大谷に言われたほうが俄然とやる気は出るだろうが＿＿敢えてそれは言わず、如月は言われた通りに言葉を呟いた。
「＿＿おきばりやす」
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キョンシー(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月19日 8時) (
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