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侍ジャパンの選手たちが招集された数日後、メジャー組も合流した。メジャーというだけあってその迫力は表現し難いもので、誰もが緊張を含んでいた。ただ一人、如月を除いて。
ロッカー室に大谷が入り、それぞれの選手らの名前と歳を聞いていく。中野に歳を聞いて短い言葉を交わした大谷は、自分の事を気にしない如月の方を見た。
大谷「如月さんでしたよね？いくつですか？」
「え？調べれば出てくると思いますよ〜」
中野「おいA…！すみません、大谷さん＿＿」
如月の態度に中野は先ほどまで浮かべていた笑顔を曇らせた。気にしないと言いたげにロッカーに荷物を置く如月の腕を掴んで謝罪を述べようとすれば、大谷の笑い声が部屋に響いた。
大谷「ははっ！！確かにそーだね」
如月の言われた通りに携帯を取り出し年齢を調べ始めた大谷。チラリと如月を見て携帯をしまうと、未だに荷物を片付ける如月の元へ近付く。
大谷「君も俺と同じ二刀流なんだね、A君」
「みたいですねぇ」
大谷「メジャー目指してるの？」
「………目指してるように見えますか？」
大谷「いや、見えないね」
二人のやり取りを側で聞いていた中野と水原は冷や汗をかいていた。お互いは笑顔を貼り付けているが言葉の一つ一つに棘があるように感じる。頼むから余分な事を言わないでくれ、そう互いに願いながら聞き耳を立てる。
大谷「ねぇA君。ちゃんと野球楽しんでる？」
「……さぁ、どーでしょうか」
話を逸らしてどこかへ行こうとする如月の肩を掴むと、大谷は目を合わせた。ずっと大谷を見ているようで見ていなかったその瞳にようやく大谷が映り込む。
大谷「やっと目があったね、A」
不敵に笑う大谷に、如月は嫌悪感を抱いた。何もかも見透かされてるような感覚が不快で堪らず、如月の表情が初めて歪む。
大谷「よし決めた。WBC優勝は勿論だけど、Aの口から野球が楽しいって言葉が聞けるように頑張るよ」
「そんなくだらない事に時間を費やすなんて、大谷サンは随分と余裕ですねぇ。羨ましい限りです」
大谷「言うなぁ」
中野「A…」
「まーでもWBC優勝ってのは俺も同じ想いですから、頑張りましょーねー」
大谷「ん、そうだね」
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キョンシー(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月19日 8時) (
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