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この回に軍配が上がったのは如月だった。ターナーはレフトフライ、リアルミュートは空振り三振、最後のマリンズも空振り三振で抑えた。完全に振り遅れた打者はお手上げと言いたいような素振りだ。如月は喜びをグッと堪え、小さく息を吐いた。
ダルビッシュ「ナイスピッチング」
「…ありがとうございます」
ダルビッシュ「自己評価はどう？」
「……安定感のある投球はできたかなと思います」
ダルビッシュ「そっか」
「……大勢はブルペンですかぁ？」
ダルビッシュ「そうだよ。彼も緊張してたから、A君が良ければ声かけに行ってあげて」
「気が向いたら行きます」
その裏の日本は二死満塁としたがヌートバーがライトフライで三者残塁。満塁でヒットが出れば少なくとも1人は生還出来ていただろう。惜しいチャンスを逃してしまった。
「"早いカウントで甘い球を見逃したね"」
ヌートバー「"申し訳ないよ、せっかくのチャンスだったのに"」
「"君らしくなかったね。でも大丈夫でしょ"」
ヌートバー「"ありがとうA！"」
「"いてて"」
如月は大勢の元へ行くことはなかった。心のどこかで大勢なら抑えるだろうという気持ちがあったのだ。大勢は如月に声をかけてほしかったらしく、ブルペンを出た後もチラチラと見てアピールをしていたが如月はそれを無視した。
湯浅「大勢に何か言いに行きました？」
「いや？言ってないよぉ」
湯浅「…良かった」
「なんで」
湯浅「ムカつくんです、Aさんと仲良い姿見ちゃうと」
「なんだそれ」
湯浅「Aさん…すっかり皆と親しくなって、嬉しい反面俺は寂しかったんですよ」
「……気持ち悪いな、お前変だよ」
湯浅「それくらいAさんの事を尊敬してるんですよ」
「それを尊敬って言っていいの？」
湯浅「……色んな感情がありますよ」
目を細めて口元を緩める湯浅に如月は不気味さを覚えた。そんなやり取りをしてる間も、7回にマウンドへ上がった大勢はピンチを招いていた。走者を出したものの、一死一から遊ゴロ併殺で切り抜ける。安堵した様子でベンチへ戻ってきた大勢は、如月と湯浅の前に立ちはだかった。
「え、めっちゃ邪魔なんやけど」
大勢「如月さんなんで声掛けに来てくれないんですか！」
「必要ないでしょ、大勢には」
大勢「えっっ」
湯浅「……」
「見えないからそこどいて」
大勢「……」
湯浅「固まってますよコイツ」
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陽 - この作品は最初の方から追わせていただいていた大好きな作品です！続編とても嬉しいです！ありがとうございます！これからも応援しています！更新頑張って下さい！！ (3月26日 18時) (
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