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他の人のところにも行こうよ。中野の提案を一蹴して如月は首を横に振った。慣れない環境に投げ出されるのは些かキツい。なんで近本や湯浅がこの場に居なくて自分が居るのだと考え始め、如月の顔は仏頂面になっていた。

触らぬ神に祟りなし。一気に不機嫌になった如月に、中野は小さくため息をついて一歩離れた。今は話しかけない方が無難だろう。やれやれと言いたげに首を振り、仲の良い岡本の元へと足を運んだ。



再び孤独になった如月。誰とも話す事なく1人ベンチに座り様子を見る。無意識に伸ばしていた首元、いつもはそこにある磁気ネックレスはなく、小さく声を漏らした。


「……そういえあの人にあげたっけ」


あの時はほぼ勢いであげてしまった磁気ネックレス。なんであげてしまったのだろうと少し後悔しながら、ナゴヤドームの青いベンチに顔を埋めた。


数分して、おい、という声と共に帽子を叩かれる。ギロリと睨みながら顔をあげその正体を見て、如月は僅かに目を細めた。




「……なんだ、翔さんかぁ」

中田「なんだとは失礼やな。そんな辛気臭い顔しとると幸せが逃げるぞ」

「別にいいです、放っておいてください」

中田「ほんっとクソガキなのは変わらんなぁ」

「……」

中田「和真とは話したか?あと大城とか戸郷とか」

「まだっす。てかそこの3人より俺は、」

中田「あーわかった。あの人な」



あの人こと、坂本勇人の顔を思い浮かべる。曲者の如月は少なからず坂本には懐いていた。プロ入りしてから腫れ物扱いだった如月を拒む事なく接してきた1人だからだ。



中田「てかAが巨人に移籍すればええやろ」

「アホなんすか?」

中田「お前ほんっとに可愛くねーな」

「翔さんには言われたくないですねぇ」



言葉だけ聞けば険悪だが2人の表情は柔らかい。お互い簡単に揶揄う事が出来る相手ではないため、こうやって接してくれる存在は特別なのだ。互いに素で居られる。



「勇人さんと試合出れると思ったのに……」

中田「俺は?」

「翔さんはどうでもいいですマジで」

中田「おい」

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- この作品は最初の方から追わせていただいていた大好きな作品です!続編とても嬉しいです!ありがとうございます!これからも応援しています!更新頑張って下さい!! (3月26日 18時) (レス) id: ea57203bd0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http  
作成日時:2024年3月25日 20時

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