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2人を見下ろす大谷。口角は上がっているがゴーグルを付けているその表情は感情を汲み取れない。何も答えない2人を見て、大谷はその逞しい腕で如月の腕を掴んだ。簡単に持ち上がった如月の体は、そのまま大谷の胸元に抱き締められる。
湯浅「Aさん！」
大谷「貰ってくね」
「ちょっと、俺は物でも何でもないです」
大谷「はいはい」
大谷の後を追っていた報道陣は、如月の姿を見るなりその足を止めた。欲を言えば如月にも取材をしたいが、あの性格ゆえ如月に何か質問をするのはタブーだった。だが今はそんな事を不安に思っている場合ではない。意を決して1人のアナウンサーが如月に声をかけた。
アナウンサー「き、如月選手！WBC優勝しましたが、率直な感想を聞かせてください！」
「………」
大谷「こら、ちゃんと答えなよ」
「大谷さんだって人の話聞かないクセに」
大谷「ん？」
「はぁ…。そうですね、素直に嬉しいです」
大谷「A、俺からも質問ね」
「面倒くさいです」
大谷「野球、どうだった？」
「………楽しいですよ野球は。楽しいからやってるんです」
その言葉を聞いた大谷は笑いながら如月の頭を撫で回す。鬱陶しそうにしつつもどこか嬉しそうな如月の表情は、バッチリとカメラに映されていた。
現地ホテルでの会見を終えた侍ジャパン。大谷たちメジャー組との別れは直ぐに迫っていた。名残惜しいのは勿論だが時間は止まる事を知らない。あっという間に終わったWBCは、これにて終幕した。
日本へ戻った先でも会見をし、各々が記者の質問に答えたりする。正直質問の内容が頭に入らず、支離滅裂な事を口にする場面もあったが、誰もそれに対し言及する事なく終了した。
如月と別れた大谷は、誰もいないところで受け継いだ磁気ネックレスを取り出した。アメリカ戦で如月から鼓舞された際に貰ったものだ。
大谷「……ふふ」
大事にそれを懐にしまう。最初は如月に毛嫌いされていたが、すっかりと懐いてくれたようだ。
大谷「早くこっちに来てね、A」
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陽 - この作品は最初の方から追わせていただいていた大好きな作品です！続編とても嬉しいです！ありがとうございます！これからも応援しています！更新頑張って下さい！！ (3月26日 18時) (
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