60 ページ17
「さっきぶりですね吉田さん」
吉田「お、A君。盛り上がってる？？」
「まぁそれなりに。吉田さん優勝した瞬間転がってましたけど、また酔いが回って転がるんじゃないですかぁ」
吉田「大丈夫でしょ多分」
「何を根拠に」
瓶を漁るがケースはすでに空だ。水をバシャバシャとかき集める音が響く。吉田のそんな行動をぼんやりと見つめながら、幾度となく吉田に助けられた事を思い返していた。
吉田の存在がなければきっと負けていただろう。大事なところで日本の士気を上げてくれた吉田には感謝しかない。
「…ありがとうございました、吉田さん」
吉田「何が？」
「吉田さんがいて良かったです」
吉田「A君もいて良かったよ。また一緒に戦いたいな」
「……そうですか」
大勢「あー！やっっと見つけた如月さん」
「げ」
大勢「げって失礼な。お疲れ様でした」
「はいはい」
大勢「なんか俺の時だけ適当じゃないですか？」
「お前だけだよ」
大勢「えっ、それって俺のことが＿＿」
湯浅「Aさん！！！」
「京己」
湯浅「優勝しましたね！！」
大勢「ちょ、今俺と………分かった分かった！あとは2人でどーぞ！」
湯浅の圧に負けて大勢は渋々去っていく。チラリと湯浅に視線を移せば、湯浅はどこか恥ずかしそうに如月を見つめた。如月がその場に腰を下ろすと湯浅もそれを真似る。ほんの少しだけ騒ぎがおさまってきた。床を見つめる如月に湯浅は声をかける。
湯浅「……Aさん」
「んー？」
湯浅「覚えてますか、この前の約束」
「さぁ、何のこと？」
湯浅「優勝したら頑張ったって褒めてくれるって話です」
「したっけそんな話」
湯浅「しましたよ、メキシコ戦の時に。俺は忘れてません」
「俺は忘れた」
床に付いていた手に力を込めて立ちあがろうとする。湯浅はその手を上から重ね、じっと如月の目を見た。僅かに揺れるその瞳。いつもは何を考えているか分からないその表情が困惑しているのがよく分かる。
湯浅「逃しませんよ」
「っおい、」
湯浅「Aさんの口から聞かせてください」
「………京己」
湯浅「はい」
「お疲れ。ようやったお前は。こないに頼りになる後輩を持てて、俺は嬉しいよ」
湯浅「……！Aさん、俺、」
大谷「話は終わった？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 841人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
陽 - この作品は最初の方から追わせていただいていた大好きな作品です！続編とても嬉しいです！ありがとうございます！これからも応援しています！更新頑張って下さい！！ (3月26日 18時) (
レス) id: ea57203bd0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
