死にたがりの殺し屋たち

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慧side



宏太「もう少し考えて行動してもいいんじゃない？」

雄也「…」




宏太のやわらかい声に怒りの色が見えた。
これは、久しぶりに激しいやつだ。


いつかもこんなふうに激しく言い合っていた。

あれは確か…大貴を拾ったときだったか…、



あの二人は一番長い付き合いだから、よく衝突する。


宏太は俺らをまとめるのが仕事だ。
下手に人を増やして、苦労が増えて…

宏太の胃に穴が開くのは目に見える。
…もしくは白髪か？

ただでさえ、問題児が多い組合だ。




でも雄也は、不幸な子供を見るとつい手を差し伸べてしまう。

先代に助けられた過去があるからだろうか。




当の本人は医務室のベッドに寝かせてるけど、そろそろ薬の効力が切れるかな…


「ほらー、そのへんにしときなよー。」






*



かたん、


「ん、起きた？」



俺のトレーナー着せたから、ちょっとぶかぶかみたいだけど。

少し伸びた前髪で表情は読めない。
だるだるの袖から覗く銀の光。

あれ、それは…



「わっ、」

宏太「なにやってんの！」

雄也「はは、」

宏太「笑ってないで取り押さえて！」



銀の正体はペアン鉗子。
それを首元にあてられて、思わず尻餅をついた。




雄也「それかしてみ。」
そっと近付いてペアンを持った右手に手を添える。

そして、雄也自身の首にあてた。






雄也「切ってみな。ここ、ぶっとい血管通ってるから、ここ切れば死ぬよ。ほら。



…できねぇだろ？」









「できるわけ無いじゃん。それ、刃物じゃないし。」

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