43話 ページ44
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「...なにも言わずに、まず話を聞いてくれんか」
『えーよ』
カクがまだ、どこか思い詰めたような表情をしている。
「...わしらは、幼い頃からずっと"海賊は悪"、"政府に楯突く者は悪"。そう教え込まれてきた。」
『...』
世界政府も随分と汚いことをする。
「っだが...、最近はどうしてもそう思えんのじゃ...」
『！』
「アイスバーグさんの元で働いて、沢山の人間と関わって...。
だからこそ、だからこそアイスバーグさんが悪だと思えん...」
『...』
「...わしは、CP9失格じゃの...。感情を持つことは許されん。
あるのは任務のみ。冷徹な殺戮兵器だと謳われるCP9が、この有様じゃ...」
カクは自嘲したように笑う。
...。
･･･？
『別にそれでもいいだろう。』
「へ...？」
『だから、アイスバーグさんが悪だと思えないんなら無理に思わなくてもいいだろって話。』
「な、何を言うとるのか...っ！
悪だと言われとるからこそ、わしらは今潜伏捜査で！」
『でも自分自身ではそんなことないって思えてんだろ？』
「そうじゃっ！だからわしはCP9失格で...」
『それでいいんだよ。』
「は...」
『君達CP9は殺戮兵器でもなんでもない。
その名を取ればただの1人の人間だろうが。』
「！」
『言ったはずだ、君達が"人間"であることを否定する権利なんて誰にもないと。
君がアイスバーグさんを悪だと思えなくて苦しい気持ちになるのは君が立派な人間だという証拠じゃないか。』
「にん、げん...」
『そうだ、君は人間だ。』
「･･･っ！わ、しは...わしは、人間っ、兵器じゃなくて、ただの、人間...か...？」
『おう、お前はただのカクだ。』
「〜〜っ！」
カクが蹲り、声を押し殺して涙を流している。
甘えることすら赦されない、そんな息苦しい世界に生きるこの男が。
少しでも自分自身でいられるように。
『...少しでも、自分に正直に生きてくれ。』
「...っああ...」
(心優しき少年に、今一時の休息を。)
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M - コメント失礼します。続きが見たいので2のパスワードを教えて貰えないでしょうか？ (3月6日 16時) (
レス) @page50 id: dc8735656f (このIDを非表示/違反報告)
K - コメント失礼します！とても面白かったです！良ければ2のパスワード教えていただきたいです！ (12月22日 15時) (レス) @page50 id: 72cde9175f (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - コメント失礼します！作品とても面白かったです！良ければ2のパスワードを教えていただきたいです！ (11月25日 23時) (レス) id: bd3aa5ba98 (このIDを非表示/違反報告)
Luna8k01(プロフ) - パスワード知りたいです。 (11月22日 8時) (レス) id: e4d0dacaf3 (このIDを非表示/違反報告)
兎月 - 初コメ失礼します！作品すっごく面白かったです！もっと見たいので2のパスワード教えてもらってもいいですか？お願いします！ (7月8日 23時) (レス) @page50 id: 2134e8433d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おいしいくじら
| 作成日時：2020年3月24日 13時
