42話 ページ43
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『コンニチハー殺しに来ました〜』
「ええ...」
こっそり鬼に気づかれないように入るだとか、ひとまず人質の安否を確認するかだとか。まさか真正面から突っ込んでいくとは考えていなかったもので、堂々と友人の家に邪魔するかのようなノリで小屋に入っていったAを諸伏は信じられないものを見るような目で見た。しかも挨拶が物騒過ぎる。なんだよコンニチハ殺しに来ましたって。お前ふざけてるだろ。(ちょっとふざけてる)
「お、お、鬼狩り...!?」
『おけ。』
「なにが!?なにを了承したの!?」
※『(やっぱり子供いるね。)おけ(把握)。』
あまりにもあまりなAの対応にいっそ哀れに思えてくる目の前の子供鬼。先程の鬼とはまた姿形が違う。肩口で切りそろえられたオカッパ頭の小さな子供だ。目まぐるしくAの奇行にツッコミを入れているが、本来コイツは泣く子も黙る人喰い鬼だ。諸伏はぐっと警戒して彼女の背後に隠れる。足手まといにならない為にも、守られなければならない。
『何人喰った?』
「は?...逆にアンタは生まれてから今までの食事の回数覚えてる訳?」
『24165回』
「きも...」
『冗談だし...』
「...」
シンプルにドン引きする鬼に、冗談を真に受けるなんて...と更にドン引きしているA。どっちもどっちなんだよ。諸伏はあれ私が惚れていたのは本当にこの人か?と一瞬疑うレベル。安心して欲しい。正真正銘こいつは幻中Aである。煙草を長い間吸えていなくてちょっとハイになっているだけの狂人である。
『だから早めに終わらせるね』
「なに!?今何と繋げたの!?」
『こっちの話』
「もうほんとこいつヤダ」
この任務が終わったら松田でも呼びつけて煙草持ってこさせるか。絶対に近くの店で買った方が早いのにわざわざ松田を呼び出そうとするA。因みに今は深夜1時である。やめてやれ。
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はる - やば、めっちゃ最高…!!ゆっくりでいいので更新待ってます‼ (3月23日 14時) (レス) @page41 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいしいくじら | 作成日時:2024年3月1日 16時