【鬼滅の刃】継子を探していただけなのに【名探偵コナン】 (ページ39)

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38話ページ39

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「貴方は...本当に...」

『はい？』

「...いえ、なんでもありません。」

『はあ。じゃあ向かいましょうか。』

念の為藤の花の香を付けてください、と彼に振りかける。自分がいる限り彼を危険に晒すつもりはないが、念には念を入れてという話である。香を振りかける時、少し近づいたらまた固まって顔を少し赤らめた彼だが、Aはもうあまり気にしないことにした。何かあるなら言ってくるだろうと投げたとも言う。

そして夜の田舎道を歩き出す2人。鈴虫の鳴き声をバックに、彼らはぽつりぽつりと会話をする。

「あの...幻中さん」

『はい』

「私のことを覚えていませんか？」

『ん？今日が初対面ですよね？』

「...」

少しだけ悲しげに眉を下げる諸伏。この反応は何処かで会ったことがあるなとAは少しばかり焦った。

『えと...すみません。職業柄沢山の方とお会いするので...。時期と場所を教えてくれれば或いは...』

「...3年前の春です。ちょうどその日も今件のように、村の小さな集落から年齢は関係なく男性のみが連れ去られていた事件だった。」

『3年前.........あ』

諸伏の言葉を頼りに、記憶を漁るA。悶々と考えてしばらく沈黙していたが、ようやく思い出したのだろう。目をぱちくりと瞬かせ、諸伏の顔を見上げる。

『貴方、もしかしてあの時の...』

「はい。事件を解決しに来たはずが、鬼に連れ去られてしまった間抜けな警察官です。」

『やっぱり』

3年前の晩春、この集落から近い...山ひとつを超えた先に存在する村で赤子幼子青年老人と、年齢容姿関係なく男性が消えていくという事件があった。首謀は色狂いの女鬼。兎にも角にも、男であればなんでも構わないような見境のない鬼だった。男を連れ去っては、自分の"旦那役"を求め、断られるのならば速攻殺す。短絡思考で感情的だったが、持ち合わせる血鬼術が中々に厄介なものだった。毒霧を漂わせ、人を洗脳する血鬼術。非常に厄介かつ呼吸封じの異能である。だからAが動員された。彼女は呼吸を使わずとも唯の剣術で戦えるので、毒霧に頼り切りであった鬼は呆気なく倒された。無事だった人質を保護し、そのまま集落へ送り届け...後にその村は藤の家紋をぶら下げた。彼女の今夜の宿である。

『(...思い出した)』

＿＿＿＿彼女は、確かにあの事件の際に目の前の彼と出逢っていたのだ。

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