【鬼滅の刃】継子を探していただけなのに【名探偵コナン】 (ページ37)

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36話ページ37

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「でねっ！その時その猫ちゃんが...！」

夢中になって話していた甘露寺ははたと彼女の顔を見て小さく目を見開いて...それから嬉しそうに顔を綻ばせて笑った。

『...？』

「...Aちゃん、いつも優しい顔で私の事見ててくれるの。」

『え』

「普通なら引いちゃうような量のご飯を食べてる時も、興味のない話を延々と聞かされてる時も...Aちゃんの顔は優しくて、瞳はとてもあったかいわ。」

『...いっぱい食べる子は、強くなるって師範が言っていた』

「ふふ！そんなこと言ってくれるのはAちゃんだけよお」

そうだったのか。自覚はしていなかったが、あまりにも甘露寺が嬉しそうに顔を綻ばせているものだから、恐らく事実なのだろうと。

「ふふ、私Aちゃんとお友達になれてとーっても幸せよ」

『...そっか』

あまりにも真っ直ぐに笑うものだから、少しだけ照れくさくなって視線を下に落とした。そんな一動も甘露寺の目には愛らしく映る。キュンと胸を大きく高鳴らせ、可愛いわ可愛いわと猫可愛がりしたのであった。

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「じゃあねAちゃん、今度はしのぶちゃんも誘って3人で来ましょうね！」

『...うん。じゃあね』

しのぶ、という名前に少しだけピクリと反応を見せたが、結局何かを口にすることはなく在り来りな言葉を返してAは手を振った。そんな彼女の様子に気づいていないのか、それとも気づかない振りをしているのか。甘露寺はニコッと可愛らしく笑い、手を振りながら去っていこうとした。その姿に、今日1日ずっと言いたくて言えなかった言葉が口をついて大きく外に出た。去り際に何故、なんて思いながらも口は止まらない。

『...甘露寺！』

「えっなに？どうしたの？」

『...甘露寺は可愛いよ。世界で1番。有象無象の言葉なんか気にするな。』

少しだけ顔を赤くしながらそう言い終わると、Aは用は済んだとばかりにスタスタと走っていく。捨て台詞にしては優しくて輝いていて、甘露寺の心の内を救いあげるのには十分過ぎるほどだった。

「Aちゃん...ありがとう」

在りし日の自分が1番欲しかった言葉をくれたAの後ろ姿に、甘露寺は涙を浮かべながら笑った。

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