28話 ページ29
·
ちなみに彼女、本物の医者である。鬼殺隊が本業ではあるが、その傍ら医師免許も持ち合わせているというわけだ。こういった事例は鬼殺隊内では珍しくなく、近い者であげるならば蟲柱だって同じく医師免許を持った鬼殺隊員だし、岩柱は保育士資格を持っている。鬼殺隊員は二足草鞋の者が多いのだ。
『まあ、この町じゃ患者よりガイシャの方が多いけどね。』
「ははは...」
言えてる。コナンは目眩のする程の犯罪件数を抱えるこの町の現状を思い出し、遠い目でから笑いした。
『ちょっと御手洗行ってくるね』
そう言って席を立ったAを見送り、お姉さんって凄いんだねえと騒いでいる3人を横目にコナンは灰原に話しかけた。
「んだよオメェ、動揺もせずに。知ってたのか?」
「...まあ、そうだろうなと予想はついていたわ」
「へっ。さすが科学者は同僚に近い匂いを嗅ぎ分けるのがお得意で。」
「そうじゃな...ああもういいわ。そういうことにしておいて。」
何か言いたげな灰原であったが、面倒になったのかなんなのか。途中で投げやりに話を終わらせた彼女をコナンはなんなんだと見やった。
そこへ近づいてくる影がひとつ。
「コナン君、哀ちゃん、アイスコーヒーのおかわりはいるかい?」
「ありがとう安室さん!」
「...いただくわ」
とぽとぽと空のグラスにアイスコーヒーをついでいく安室。
「驚いた。あの人はお医者さんなんだね。」
「それがどうかしたの?」
「いいや、とてもそうには見えなかったから。」
「あら、探偵のくせに見た目で人を判断するなんて。毛利のオジサンにドヤされるんじゃないの?」
「あはは、耳が痛いなあ」
ツンケンと安室を刺す灰原に、こいつホント沖矢さんといい安室さんといい地雷が多いよな...とコナンは半目になった。まあ粗方の理由は察せられるのでなんとも言えないが。
『ただいま』
「おかえりなさーい」
「おかえり姉ちゃん!」
「ふふ、おかえりなさい。アイスコーヒーのおかわりはいかがですか?」
『あ、お願いします』
おかわりをついでもらい、1杯になったグラスを揺らしながら彼女たちは談笑を再開した。
·
287人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はる - やば、めっちゃ最高…!!ゆっくりでいいので更新待ってます‼ (3月23日 14時) (レス) @page41 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おいしいくじら | 作成日時:2024年3月1日 16時