春夏秋冬 (ページ9)

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牡丹一華花泊夫藍ページ9

……side

小さな街に、古びた店が並ぶ商店街
小さな託児所と本屋その並びに，喫茶店。
入ってみれば、今人気の歌手の歌が流れている。
奥に一人紅茶を飲む君どうして分かったかは、
3年前に遡る。ある一軒家に，
彼と俺は暮らしてた。彼は、行動するのは昼間や夕方。スーパーから帰ってくる彼と
仕事終わりの俺。基本家に居ない俺は，買い物を
彼に任せていたその具材で料理を作るのが俺の
もう一つ仕事だった。普通の仕事は，給料だけ。
でも，この仕事は彼の笑顔と「ありがとう」安心する声が聞こえる。それが何よりの楽しみであり
嬉しかった。でも，それは長く続かなかった。
いつもの様に、仕事から帰る。二人の家が見えた
なのに、彼の姿は見えてこない。
ふと目を凝らす。華奢な背中。彼だ。

誰？だれ？ダレ？
キモチワルイ。

彼は、キスしていた。俺の知らない。「オンナ」

俺は平然な顔で、家に入った。
彼は気づいていない，「おかえり帰ってたの。」
「うん、ただいま」何だこの会話……
笑える。
あえて俺は，知らないふりをした。
俺はベランダに行ってライターを付ける。
マルボロの箱から煙草を出して吸う。
ふと下を見ると、あの「オンナ」。
子供と手を繋いで，旦那に微笑んでいる。
普通の人からしたら、え、フリンってなるんだろ
でも，俺からしたら普通の「恋」と「愛」
を手に入れたんだなと思ってしまう。
薄々勘づいてた。タバコ最後の1本は，とっとこ。
その後は、普通に話して、夕食を食べて、
寝る時……彼は後ろからハグをしてきた。
珍しく先に眠った彼。彼はそっと呟いた。
「あやめ」すぐわかった。あの「オンナ」の名前
ってだってさっき彼より低い声で旦那さんが
呼んでたよ。騙されてるよ？ねぇ，
泣いた。ベランダに行って，最後の1本を出して
火をつけて大きく吸った。特有の苦味と少し甘い
マルボロ今日だけしょっぱかった。
その後俺は，
彼から貰ったライター型のネックレスこの宇宙も見慣れたよ。
それを机に置いて、サヨナラ殴り書きして、
最後に「アネモネ」の花を置いて
出ていった。
それから，2年後……君に会う。
君に再会したきっかけがあの「オンナ」なんてね
あの後，「あやめ」という女は俺の高校時代の
同級生だった。それを知ったのは同窓会の場で
その女にも勿論会った。ほのかに香る香水。
女の香水，「クロッカス」の香り。
少し落ち着く。すると女言った。
「離婚した。子供も連れて行かれた。」
続