春夏秋冬 (ページ7)

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欝金香よりアザレアページ7

……side
もう春，まだ春，いつの間にか春，
周りは入園や入学式とかで大変だ。
なのに俺は，霊園に来ている。
竹で出来た桶に水を入れて、春だけど
ほんの少しだけ冷たい。
君のいる所に行くと……
君の好きな花「アザレア」何でこの花が
好きなのかは,俺しか知らない。
頭に？が浮かんだ，でもすぐに分かった。
散った桜の花びらがのった
1枚の写真，ちゃんと写真立てに入れてある。
そこには、高校時代の君と俺とアイツ。
正直腹が立った。何でお前が
言っていないのに……すると
『ごめん，お母さん達に教えてもらった。』
アイツがそう言って、黒いスーツ姿で立ってた。
『あっそ。ありがとう写真』
そう言う事しか言えない自分にも腹が立った。
『ごめんな，知らなくて』
『別にいいよ。』
謝ることしか出来ないのか？でも正しい。
蝋燭に火を付けて、線香立てて、手を合わせる。
アイツは，言った…君の両親に会ってくるって。
また俺は素っ気なく返した。
でも，その時俺は見た。
アイツが、指輪をしてない事に、
俺は，嬉しさと嫉妬が重なった。
でも，君に言うよ。
良かったね。
9年間待った甲斐あったじゃん。
俺は，そっと黄色のチューリップを
握りしめた。