君が夢をみれますように (ページ14)

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優しい人ページ14

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強い人間なんてこの世の中には居ないと思っている。

みんなどこか残酷な一面をもって自分中心に動いていると思っている。

私はそんな悲観的なことをずっと考え続ける残酷さをもっている。

ソヨンが私の事を好きじゃないとは知ってた。
ジェノに惹かれていることも知ってた。

私は彼女を愛していた。
だから利用されても損とは思わなかった。

無駄にピンクに塗られた女子トイレは
お前の居場所ではないと訴えてくる。

『知ってる。』

何も言わずに手を握ってくれればいいのに。
誰でもいいから

ここにいていいよ。って

この世界に迎え入れてもらえていい人間なんだよって、

私だって、空を飛びたいし

誰かに恋もしたい。

暴れて怒られたいし、心配されて泣かれたい。

死ぬ気で努力して勝ち取った何かに感動もしたい。

それさえも許さえないのかと思うと、全てが嫌になる

SY「A、」

『ん？』

SY「…理科室、ジェノと行ってもい？」

『え、あーいいけど、』

SY「ありがと、Aって最高に優しい。」

あのね、優しくなんかないの。
自分に保険をかけただけ、

傷つきたくなんかないの。
優しいって強くなんかない。

ただ、弱いだけだよ。

私なんかは、

思い出したら、涙が出る。

頭では泣くなって言ってんのに、まるで身体を飼い慣らせてない。

『泣きたくなんか、ないのに、、』

あーあ、また私を弱さが呑み込んだ。