兎は精神病質者。[JK] (ページ3)

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正確に言えば、

両親がいなくなったじゃなくて殺された。

誰かは、未だに分かっていない。

きっと殺してくれた人は僕が好きなのだろう。

僕が困っていたから、助けてくれたんだ。

友達がいなかった僕は、そう思って寂しさをしのいでいた。

中学校生活も無事に終わろうとしたときだった。

帰っている途中、捨て犬がいた。

その犬は、まるで人形のように固まっていた。

人間が怖いのか。

それとも、死ぬのが怖いのか。

僕は、犬を家に持ち帰り、大切に育てた。

大切に育てて終わるだけでは物足りなさがこみ上げてくる。

いっそ、殺してしまおうかと考えたが止めた。

受験生の僕にとって犬なんて頭の隅にも置きたくない。

懐いてくる犬はとても鬱陶しい。

バイトで疲れた僕を癒やしてくれる訳でもなく、冷蔵庫をあさり、生きようとしている。

僕は、虚しくなった。

この犬は、僕と似ている。

小さい頃の僕だ。

両親がいなく、食料も少ない。

暇さえあれば冷蔵庫をあさる。

心が無い、人形じゃないか。