【呪術廻戦】狗巻と黛はすこぶる仲が悪い

弐拾肆《3》 ページ25

伏黒side



A先輩に1年生の紹介をしようと

五条先生が言い出して


俺は先輩を呼びに行った



俺と話している時の先輩は

いつも楽しそうではないけど


それでも気が楽なのかたまに笑う



マスクで隠れていても

目が優しげに垂れるからすぐに分かる


いつだって俺の前ではあんな顔はしない


あんな…



何かに怯えたような目をした暗い顔は




「…A先輩、狗巻先輩に呼び出されてどっか行きました」

「え、棘に？」

「はい…あの、A先輩すごい変な顔してたんですけど、狗巻先輩となんかあったんですか」

「そうだねぇ…ちょっと、やばいかもね」

「え…？」

「悠二は？」

「釘崎呼びに行かせて…」

「探してきて、もしかしたら悠二の手を借りないといけないかもしれない」

「…はい」



どういうことなのか分かんねぇ

五条先生が何をする気なのか分かんねぇけど


この時頼られるのが俺じゃねぇのが

なんでか胸に刺さる



A先輩のこと、俺は知ってきたつもりだ

なんとなく狗巻先輩と不仲なのも察してた


でもなんにも知らなかったんだ俺は



「…虎杖っ！」

「おー伏黒、釘崎連れてき…」

「釘崎はもういい、五条先生んとこ行くぞ」

「はぁ？ちょっと、呼び出しといてもういいってなんなのよ」

「俺だって知らねぇよ！…でも今は虎杖がいるんだ」

「…なんかあったわけ？」

「んー、とりま行くか」



なんも知らなくてすみませんA先輩


あの顔はどう見てもただ事じゃなかったのに

引き止めることも出来なかった



ずっと近くにいたはずなのに





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『…話って？私しかいないし、おにぎり縛りしなくていいよ』

「……一昨日から…倒れたときから、様子がおかしいと思って」

『それでわざわざ？そんな心配される仲だったっけ』

「顔色も悪い」

『聞けよ』



大丈夫、今はまだ怒ってない

呪言も呪力が籠らなければただの言葉だ


これを日常的に出来れば良かったんだけど

怒らない日はなかったから


だからこんな生きづらいんだよな



「…呪言、どこまで使える？」

『なにが？あんたは十分知ってるでしょ、ちゃんと使えてるって』

「Aは言葉に籠める呪力量を調節できない。怒った分だけ強弱が出る」

『それがなに』

「……中途半端な呪言は危ないし、また暴走するかも…」

『っ、そんなの！私が一番分かってる…』




でも、じゃあ


私はどうすればいいの


.

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