【呪術廻戦】狗巻と黛はすこぶる仲が悪い

拾肆《3》 ページ15

五条side




「A、着いたよ」

『……せんせ…』

「うん、顔色最悪だね。酔った？」

『…んーん、嫌な夢見ただけ』




昼頃には仙台に着いていたけど


特級呪物のある学校から半径5km以内を

見て回りたいというAに付き合って


バスやら電車やらで渡り歩いていたら

いつの間にか日も暮れていた



Aの昨期雲外はどこにでも好きに

空間を展開出来るほど便利じゃない


A自身が地に足付き


その場に呪力のマーキングをしないと

こいつの本領は発揮されない



もちろん近距離ならマーキングは

必要ないが


今回のような特級相手は

近距離の方が危ない


もし他の呪霊に食われていたら

この辺一帯はどうなるか…



Aは優しいやつだから

人を守るためのこういう準備は欠かさない




『せんせ、準備できた？』

「うん、そっちの体調は？」

『私のことは気にしなくていい』




嫌な夢か…想像はつくけど

こういう話は安易に聞いていいのか…


なにより、この間怒らせたばっかで

俺も弱気になってるから聞けない



Aのこと分かってるつもりでも


実際は何も分かってないって

改めて考えると結構くるんだよな



『…恵ちゃんから、連絡ない』

「……そうだね、僕にもない」

『なんかあった？』

「そうかもしれないけど……」



でも、あの呪物

"両面宿儺"はなりを潜めてる


まだ食われてない



「僕は恵だけで大丈夫だと思うんだけどね」

『恵ちゃん弱いから…』

「そんな袖引っ張って…えー、行くの？」

『行く、恵ちゃん一週間ぶりだし』

「そっちかよ」



そこは嘘でも恵が心配って言おうよ


まぁ遠回しなだけで

本当はちゃんと心配してるんだろうけどさ



無駄足したくないなぁ…

恵なら大丈夫だよ、多分



…と、思ってたけど


そうもいかないみたいだ




『……！来た、来たよせんせ。強い呪力…何かが宿儺を食った』

「あーあ…やだねぇ、仕事増やされちゃった。じゃあ行こっか」




面倒くさいことになったなぁ…


まぁ、呪霊なら祓うまでだし

人なら……って、それはもう人じゃないか



死刑で処理して

指が残れば高専で保管…かな



早く帰りたいからさっさと終わらせよ




Aの様子もおかしいみたいだし…ね

.

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