お姉ちゃん始めました【rbr】 (ページ6)

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脱衣所には

すでにマリーが服を用意していた

ロボロの分と

私の分だ

ロボロの体をバスタオルで拭き

新しい服を着せる

ロボロはぎごちなく服に腕を通し

着た服を穴が空くほど見ていた

そんなに気になるのかしら

『今度は自分でも着れるように練習しようね』

「？うん」

理解して返事しているわけじゃないのが

おかしくて笑ってしまう

それが可愛いのだけど

せっせと服を着せて

私も服を着る

あ、これ好きな服だわ

マリーったらエスパーなのかしら

『よし、じゃあ私のお部屋に行きましょう』

「お、へや？」

『1人だけのお家みたいなものよ』

気になったものを聞き返し

私が説明するという流れに味を占め

ロボロはなんでもかんでも気になるものは

指をさして私に聞いた

こうやって人は言葉を学ぶのね

いいことだわ

部屋に着くとマリーがいた

ロボロを1人部屋にするのは不安だと

お父様から聞いたという

大事な跡取り息子だものね

私の目が行き届くところに置いときたい

っていう考えが見え見えだわ

『あ、この子のベットはいらないわ。私のベットで一緒に寝ましょう？』

「うん」

『あぁでも、この子のクローゼットが欲しいわね。今度たくさん好きな服を買わせてあげたいわ』

「かしこまりました、ではその際はお供いたします」

『ありがとう』

城下の服屋はいいものばかりを

取り揃えてある

きっと好きな服もあるはずよ

『この子の日用品はもう揃えてあるかしら』

「はい、お持ちいたしますか？」

『まだいいわ。そういえば、この子に合う教材はあったかしら？まだ読み書きもできないの』

「お嬢様がお使いになられていたものなら、保管されていますが…新しくお取り寄せいたしますか？」

『そうね、評判のいいものが欲しいわ。それからこの子、髪が伸びきっているから理容師を呼んできて。せっかく可愛い顔が見えないのは勿体無いわ』

「承知致しました」

一連の会話を聞いていたロボロは

訳もわからずハテナを浮かばせているが

ここに来た時よりも警戒心がなくなり

私の手を握ってくれている

きっと今まではあの女と

手を繋いでいたのだろう

私が母代わりなんて

笑えるわね

なんだっていいわ

あの女よりは、きっと幸せにできる

.