お姉ちゃん始めました【rbr】 (ページ31)

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手紙の内容としては

いつものような他愛のないものだが

それがいい

『ふふっ、コネシマくんの背が急に伸びたって…そもそも歳が違うんだから当然でしょ？』

あれ、でもコネシマくんって

今いくつなんだっけ？

聞いたことないな…

ロボロより年上なのは知ってるけど

『…まぁ、私よりは年下でしょ』

マリーの方は…と

『……え、グルッペンくん？』

珍しく大きめな封筒から

手紙と数枚の写真を取り出すと

ロボロの写真の他に

あの日の少年、グルッペンくんの写真

しっかりカメラ目線だから

盗撮ではなく同意で撮られたものだろう

きっと真面目なあの子のことだから

調べて様子を撮ってくれたのかしら

お嬢様が仰っていたグルッペン様とお会い致しました。
予想通り王家の方でしたが、お嬢様の召使いだと伝えるとお顔をお見せくださいました。
あの方はお嬢様が軍へ入隊なさったこと、ご存知なのですね。

正直、お嬢様があの方の肩を持つこと、わたくしには理解できませんでした。
誇り高き貴族の生まれであるお嬢様を、危険に晒す王家の一人であるからです。
ですがお話をお聞きするうちに、なぜ貴方があの方を見初めているのか分かりました。
若くして国のことをしっかり考えてくださっている王の器であると、あの日そう思われたのですね。

お話によれば、あの方は次期国王になる予定なのだそうです。
お嬢様が無事に御屋敷に帰ってきてくださると信じています。
そういう国にしてくれると、わたくしはあの方を信じます。

最後に、伝言を授かしましたのであの方に代わりお伝え致します。

"この国に、王は必要ない。"

"俺は国を変えるだろう。"

"国が変わるその瞬間を見る覚悟が、お前にはあるか？"

読み終わる頃

何故か頬を濡らしていた

なにか感動的な話を読んだわけでも

辛いことがあったわけでもないのに

『…そんなの、当たり前じゃない。死ぬ覚悟だって出来てるのに…』

その横暴で自信に満ちたような口調

何も変わってない

私に希望を与えたあの日の君と

何も変わってない

信じるよ、私も

それまで死なない、絶対に

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