お姉ちゃん始めました【rbr】 (ページ29)

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「へぇ…？」

『！？』

いや、ごめんなさい違うんです

なんでいるんですか

「ええこと聞いたなぁ？」

『ひぇ…』

「Aちゃん…」

『やめて、そんな目で見ないで』

しばらく鬱くんと愚痴大会を

繰り広げていると

背後から声が聞こえた

そう、あの鬼だ

『えっと…何用でしょう』

「特に用はないです」

『あぁ…お帰りください』

「嫌ですね」

終始ニコニコと口角を上げているが

それが余計に怖い

この人分かっててやってるな

「鬱」

「えっ」

「…お前覚えとけよ」

「ちゃうやんごめん！！本心やないから！ほんまはめちゃくちゃかっこええと思っとるよ！？」

「Aさん？ちょっと借りますね」

『あっ…(察し)』

恐らく鬱くんのパートナーだろう

バッテン印のマスクを付けた

白正装を着た男の人に引きずられて

この場には私と鬼だけになった

『…ご飯食べますか？』

「せやなー…腹減ったわ」

さっきの愚痴は流されたのか

特に話題には出なかった

いや、でも

これ絶対根に持たれてる

無言で座っていると

少しして鬱くんたちが戻ってきた

鬱くんの顔は死んでいた

…元からか

「おかえりー」

「ただいま」

どうやらトントンさんと

鬱くんのパートナーは知り合いみたいだ

仲が良さそう

「Aちゃん…」

『大丈夫？』

「…もう愚痴は言わんようにしよか」

『………』

これは、しばかれたのだろうか

この人もトントンさんみたいに

厳しい人のようね

「Aさん…ですよね？自分はひとらんらんって言います。ひとらんとかでいいですよ」

『あっ、はい。Aと申します。ひとらんらんさんですね、よろしくお願いします』

「こいつ俺の友達やから、何かと関わりそうやなって思って連れてきたんや。まぁ、悪いやつちゃうから」

『私にとっての脅威はあなたですからね、トントンさん』

「俺よりやばいやつおるから、俺ごときで脅威とか言わん方がええ」

『世の中って怖いわね』

トントンさんは筋肉も脂肪もある

ガッチリした身体だけど

ひとらんさんは少し華奢だ

いや、鍛えてはいるんだろうけども

トントンさんよりはって意味で

それを言うと鬱くんは

ある意味もやしみたいだけど

『じゃあとりあえず皆さん揃いましたし、ご飯食べましょう』

みんなは私の言葉に頷いて

手を合わせた

「「『いただきます』」」

トントンさんの声色だけ

やけに嬉しそうだった

.