お姉ちゃん始めました【rbr】 (ページ20)

今日:26 hit、昨日:164 hit、合計:1,024,067 hit

18 ページ20

『鬱さん、お呼び出しよ』

「ほんま？じゃあ行ってくるわー」

それから二週間近く経ったが

この鬱という男

どうやら本当に名前が知られているらしい

少し顔はデカイが

まぁ悪くない顔立ちだ

隊に入り、娯楽もないこの地獄で

こんな男を見逃す女はいないのだろう

恋愛に夢中になれば

確かに気持ち的には明るくなるが

「えへ、ここに来てもう4人目やで」

『それは良かったわね。私たらしは嫌いだから、どんなに私と仲良くなったってあなたを好きになることはないのよ？そろそろ諦めてもいいと思うのだけど』

「えー、別に俺Aちゃんのこと狙っとるわけちゃうで？確かに最初はそうやったけど」

『ほら見なさい、願望が見え見えだわ』

「ほんまにちゃうんやってー」

相変わらずヘラヘラとはしているが

それが彼なのだと私も分かってきたし

友達のような存在と言えるのも

私には彼だけだ

女たらしな彼が、いつか目当ての子に

引っ付いて行動してしまったら

私は確実に一人ぼっちになってしまう

違う意味で、ハラハラしている

それを知ってかは分からないが

鬱さんは基本的に私と行動している

有り難いのか

はたまた鬱陶しいのか

とりあえず嬉しいことなので

いいとしよう

「はぁー、でもやっぱ街でダチとワイワイやりたいわ」

『女の子より？』

「まぁ、女好きなんは男の性やろ。女といる時と、ダチと騒ぐ時、どっちの方がいいとかって比べるもんちゃうな」

『へぇー、てっきりあなたのことだから女の子といる方がいいと思ってたわ』

「ひどい…俺にだって普通に友達くらいおるわ！」

『ふっ、ごめんなさいね』

友達かぁ…私は友達なんていなかったけど

ロボロにはたくさんいるのよね

金髪でお転婆なコネシマくんとか

華奢だけど野球が好きなシャオロンくん

シャオロンくん、可愛かったなぁ

あれは大きくなったらどうなるんやら

コネシマくんは元から随分顔が整ってたわね

このクズ男とはえらい違いだわ

あの子は大きくなったらすごくなりそう

きっと女の子の人気者になるんでしょう

『…会いたいわね』

「？あぁ、友達に？」

『まぁそんなものね』

「俺は別に会いたいとは思わんけど…うるさいんやもん、あいつら」

『でも好きなんでしょう？』

「そんなことないで」

友達に会いたい心情がバレバレな

鬱さんをいじりつつ

私は自分のポストを開けた

.