お姉ちゃん始めました【rbr】 (ページ18)

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「ロボロ様…」

朝起きると

お姉ちゃんはいなかった

代わりにマリーが持ってきた手紙が

俺の手に届けられた

「ロボロ様、お嬢様は決して喜んでここを出て行ったわけではありません。事前にお伝えしなかったのは、わたくしにも非があります。申し訳ございませんでした」

マリーは何度も何度も頭を下げて

声を震わせていた

俺に申し訳なくて泣いているわけじゃない

ことくらい、俺にも分かった

「手紙…」

「はい…？」

「手紙、読めないとこあるから代わりに読んで」

「かしこまりました」

涙を拭き取り

マリーがお姉ちゃんの手紙を読み上げる

あの人らしい

固い内容ばかりだ

けれど、手紙には

俺が大事だとか、愛してるとか

嬉しいこともたくさん書いてあった

「分かった。お姉ちゃんが帰ってくるまでに、俺もちゃんと成長する」

「はい、お手伝いいたします」

「俺が大きくなって、言葉もお姉ちゃんみたいに上手くなったら、お姉ちゃん褒めてくれるよね」

「…えぇ、たくさんお褒めになりますよ。きっと」

「なら、難しいことも覚えるよ。マリーが教えてくれるんだよね？」

「はい、私でよければ」

お姉ちゃん

なんでいなくなっちゃったのかな

お嫁に行くってだけで

マリーは泣いたりしないよ

でもきっと理由があるんだよね

「…マリー、今日は遊びに行くね」

「かしこまりました。外出用のお洋服をご用意いたします」

「ありがと」

それなら、俺は待ってるしかない

帰ってくるまで

それまでに変わって

お姉ちゃんをびっくりさせるんだ

「ロボロー」

「ごめん、寝坊した」

「今日は姉ちゃんこねぇの？」

「うん」

「ふーん…なぁコネシマ、今日は野球にしようぜ」

「えー野球？サッカーやろ、やっぱ」

「昨日やったやん」

俺はまだ知らなかった

丁寧な言葉使いを使う傍

こいつらのこの口調が

まさか俺にも移ってしまうなんて

まだ少し先の話

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