お姉ちゃん始めました【rbr】 (ページ15)

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日が暮れて

私達はお家へ帰った

あの子の言葉

あれはどういう意味だったんだろう

そもそも、勝手に子供扱いしていたけど

身長は同じくらいだったし

声もロボロと比べるとずっと低かった

もしかしてそんなに年離れてない…？

いや、それはどうでもいいか

グルッペン・フューラーと言ったかな

きっとあの子の名前だろう

この国で苗字を持つ者は王族と貴族のみ

そしてこの国の姓はフューラーだ

つまり、あの子は王家の人間

とんでもない人と話をしてしまった

というか、愚痴ってしまった

大丈夫なのか私

入隊早々打ち首とか笑えない

まぁけど、あの子はそんなこと

するような子には見えなかったし

なにより、綺麗な目をしていたから

きっと大人になっても腐らないだろう

あの子が次期国王だったりするのかな

だとしたら、いい国になるはずだ

大事なものをしっかり見ていれば

それが壊れることはないもの

ロボロが大きくなった頃が楽しみね

私はその頃お空にいるかもしれないけど

「ん…お姉ちゃん…？」

『ロボロ、起こしちゃった？』

「ううん…ちょっと寒くて」

『ごめんね、もう寝るわ』

遊び疲れてぐっすり眠っていたロボロが

ベッドからもそもそと起き上がる

結局大きくなっても

ベッドは一緒のままだった

明日からはあなただけのベッドよ

寒くても、暖かい人肌は感じられないの

あぁ…やっぱり無しにできないかしら

まだやりたいことだってあるのよ

ロボロはまだ小さいから

成長していくのだってこれからなの

この先、声が低くなったり

私より手が大きくなったり

沢山変わっていくのに

「おやすみ、お姉ちゃん…」

『おやすみなさい…愛しているわ』

愛してる、ロボロ

私の大事な弟

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「お嬢様…お時間です」

『えぇ、行きましょうか』

朝日が登らぬ前に

迎えの馬車に乗り込んだ

沢山の荷物や

マリーがとってくれた写真を持って

ロボロはまだ寝ているかしら

私がいないことに泣いたりしないかしら

お父様やお母様のこと

すべて任せきりになってしまうのを

どうか許してね

昨日、遅くまで起きて書いた手紙を

マリーに渡す

ロボロの分も託すと

涙目な彼女は力強く頷いた

「ロボロ様のことは、お任せください」

『えぇ…頼みます』

馬車は感動の別れなど知らんことかと

無情にも走り出した

途端に溢れる、涙

辛くて、苦しくて

とても痛い

.