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ut「ほんまは、分かってたんや…Aちゃんがせこい真似して2人を手なずけた訳やないってことくらい。でも…本物の人間が、2人のトラウマ剥がしてもうたら、俺がいる意味なくなってまうから…だから、嫌やってん、あいつらが離れていくのが…」
『…うん、やっと言えましたね』
はっきり自分の口で言った
2人が離れていくのが怖いと
自分のいる意味を見失うのが怖いと
『否定する人は、ここにはいません。誰かのためにならなくても、いなくていい理由にはなりません。なにか理由がないとここにいちゃいけないなんて、そんなこと絶対にありません』
ut「…でも、ダメやねん俺もう、一人が、恐ろしくて…分かっとる、ここには俺のこと否定するやつなんておらん。けど…それでも一人なんは変わらんやんか」
『…愛されたい、でしたっけ？』
きっと彼もまた
トラウマを引きずっているのだ
彼が好きだったという人間の女の子
その子に否定された記憶が
こびりついて離れないんだ
『…私と、契約を結びませんか？』
ut「え…」
『"宝物の鍵"…これなら、私はあなたを助けてあげられるかもしれません。私なんかでいいならですけど…』
ut「ほ、ほんまに言うてるん…？人間の女の子が、人種族の俺に…？それに、"それ"…」
『これくらいしか思いつかなくて…こんなことならもっとしっかり授業受けとくんやったなぁ』
ut「え、ちょっ…！」
『はい？』
ut「な、何勝手に始めてんねん！そんな、まだ心の準備が…」
『あぁ…どうぞ、じっくり』
ut「うっ…改まわれるとちょっと…」
『…反対じゃないならもう始めてええですか』
ut「あぁんちゅめたい…」
なんだかいつもの彼に戻ったみたいだ
へらっと笑うのは変わらないけど
でも前よりかはずっと荷が軽そうだ
『じゃあ…失礼しますよ』
ut「優しく頼むで」
『善処はします』
宝物の鍵は、記憶の鍵
2人の共通の記憶のみ
鍵をかけて一生忘れない金庫にしまえる
そして、嫌な記憶はその時
記憶の奥深くに封印できる
それもまたある意味、記憶の鍵ってわけだ
まぁ、それにはお互いの記憶を
見せ合う必要があるわけで
今、私の頭には彼の意識が入り込んで
記憶を洗いざらい見られているんだけども
私も同じように彼の全てを見ている
振られたシーンも
コネシマさん達と過ごした日々も
私達がここに来る前までの
このハウスでの記憶も
知らなかったことを、知っていく
.
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みち - めっちゃ面白かったです！絵描きさんの作品めっちゃ好きです！ (2020年8月16日 12時) (
レス) id: fb5d19b1ad (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - カエデさん» 嬉しい、この一言につきる (2020年8月10日 1時) (レス) id: 215c832e11 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - 暁レイさん» えっ、むしろ読んでくれてありがとうなんですが…？？もう好き、更新頑張っちゃう(( (2020年8月10日 1時) (レス) id: 215c832e11 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - 面白い、この一言につきる (2020年8月8日 20時) (レス) id: 72430d3326 (このIDを非表示/違反報告)
暁レイ(プロフ) - あぁ…なんで評価は1回しか押せないの？…って事で更新待ってました！大好きです。これからも頑張ってください。ほんと、大好き、ありがとうございます作品作ってくれて。 (2020年8月7日 19時) (レス) id: 66062cdea4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2019年7月14日 20時
