30 �� ページ31
『だからさ、私から一つだけお願い』
syp「…なんすか」
『好きで狼族の血を持っとる訳やないってのは知っとるけど、嫌いやって言うんはやめてくれへん？』
syp「なんで」
『私は虎も狼も、みんな好きやから。一緒だよ、人間と。学校に行って、仕事をして…人間と同じように生活しとるなんて、そんなんもう人間やないか」
syp「でも…どんなにそう思ってたって、人は食いたなるし、俺は、狼…やし」
『それでええやんか、人食べちゃあかんの？ゾムなんか私の両親食ったんやで？まぁ私が食ってええよって言うたんやけどな』
syp「あんた…は、食われること怖くないんか？ゾムさんめっちゃマーキングしとるし…あんたいつか食われんねんで？」
『怖くないって言ったら嘘になるけどね。でもいいと思っとる。これまで大事にとっておいてたってだけでも、私は嬉しいから』
syp「……あんた、アホやろ」
えぇ、存じておりますけども
狼族が嫌いってことは
狼族の自分が嫌いってこと
そんな悲しいことはないよ
狼族がなんだっていうの
ゾムだって狼族だけど
私はゾムが幼馴染で良かったって思うし
他の狼族の人に会うのだって初めてで
すごい嬉しかった
ゾムだけじゃないんだって
あいつは一人ぼっちじゃないんだって
だからねショッピくん
一人じゃないんだよ
『今すぐなんて言わんよ。自分のこと、好きになれる日が来たら…その時は私に一番に教えてや。待っとるから…』
syp「……そんなの、きっと来ないっすよ」
『来るよ、分かるもん私。ショッピくんはゾムやロボロさんのこと嫌いなわけやないやろ？』
syp「それは…」
『なら、狼族のことも好きになれるよ。大丈夫、だって私にショッピくんのこと頼んできたコネシマさんが、自分で言ったんやで？
ショッピくんに、自分を好きになって欲しい。きっとなれるはずだから、って』
コネシマさんはよく周りを見ている人
自分の後輩のことくらい、分かってるよ
後輩思いでもなんでもないって言って
しっかり心配してんだから
『ショッピくん、大丈夫？』
syp「大丈夫に見えるなら、あんたおかしいっすよ」
『うん、大丈夫に見えへん！よかった！』
ポツポツと床が濡れていく
あらあらあら、ほんとよく泣く子だね
ショッピくんは
あの日はコネシマさんのために
でも今日は、自分のために
泣くことが出来る人は決まって
心が優しい人だって
私知ってるよ
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1851人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みち - めっちゃ面白かったです！絵描きさんの作品めっちゃ好きです！ (2020年8月16日 12時) (
レス) id: fb5d19b1ad (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - カエデさん» 嬉しい、この一言につきる (2020年8月10日 1時) (レス) id: 215c832e11 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - 暁レイさん» えっ、むしろ読んでくれてありがとうなんですが…？？もう好き、更新頑張っちゃう(( (2020年8月10日 1時) (レス) id: 215c832e11 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - 面白い、この一言につきる (2020年8月8日 20時) (レス) id: 72430d3326 (このIDを非表示/違反報告)
暁レイ(プロフ) - あぁ…なんで評価は1回しか押せないの？…って事で更新待ってました！大好きです。これからも頑張ってください。ほんと、大好き、ありがとうございます作品作ってくれて。 (2020年8月7日 19時) (レス) id: 66062cdea4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：絵描きさん
| 作成日時：2019年7月14日 20時
