26 ページ27
ゾムside
gr「……お前とAとのことを俺はあまりに知らなすぎる…少し話を聞かせてくれ。ここの主人としても、お前の友人としても、俺はそれを知る義務があるだろう」
zm「それが話ってことか…いいぜ、お前だけ特別にな」
今まで、俺とあいつとのことなんて
誰にも言わないつもりだった
俺にしか見せない顔も
俺達の絆も
俺だけ知っていればいい
誰にも理解なんてされたくない
そう思っていたから
しかしどうだ
目の前のこいつはAと契約を結んだ
Aを従えているこいつの言葉を
俺は間接的だとしても断ることが出来ない
俺はAに全てを捧げてるんだ
グルッペンにも頭は上がらない
だから仕方なく、だ
zm「俺とAが出会ったのは、小学校に上がった頃やった。
あいつは人間、俺は狼族。本来関わることは許されんはずやけど、お前も知っとるように、俺達一家は狼族だと隠して生活しとった。
もちろんあいつにもそのことは隠して、あいつの前では人間が食べる味の濃い飯も、美味いって食ってた。
けど、だからこそ俺達は入っちゃあかん線を超えて、人間とはなっちゃあかん関係になってもうた」
gr「…一応聞くが、恋人ではないんだろう？」
zm「恋人？…そんな薄っぺらいもんやない。俺達には無償の愛があんねん。あいつも、俺も…友達とか幼馴染とか、そんなんちゃうねん。血は繋がっとらんけど、俺達はれっきとした家族なんや」
他人が俺達の間に入るなんて許さない
俺はあいつは特別だ
他の誰かがAの特別になるのは認めない
そうやって今まで生きてきたんや
これが俺達の家族の形
俺達の絆は本物や
誰にもそれを引き裂くことなんて出来ない
gr「そうか…なるほど、お前は本気でAが好きなんだな」
zm「……好き、やけど…そんな言葉じゃ足りない、と思う」
gr「分かった分かった。いやな、お前のマーキングやらなんやらで少し心配してたんや」
zm「心配？」
gr「お前だって知ってるだろ？人間にマーキングし続けることのデメリット」
グルッペンの少し呆れたような
諦めたような
そんなはにかみ方に
フッと体の力が抜けた
こいつと話すときはいつも
無意識に緊張する
zm「知っとるよ、分かっとる」
gr「そうか。お前のためにも、Aのためにも、マーキングは度々でええと思うゾ」
zm「けど…いや、そうやな」
ほんまは、分かってた
それが自分の首を絞めてるってこと
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1851人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みち - めっちゃ面白かったです！絵描きさんの作品めっちゃ好きです！ (2020年8月16日 12時) (
レス) id: fb5d19b1ad (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - カエデさん» 嬉しい、この一言につきる (2020年8月10日 1時) (レス) id: 215c832e11 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - 暁レイさん» えっ、むしろ読んでくれてありがとうなんですが…？？もう好き、更新頑張っちゃう(( (2020年8月10日 1時) (レス) id: 215c832e11 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - 面白い、この一言につきる (2020年8月8日 20時) (レス) id: 72430d3326 (このIDを非表示/違反報告)
暁レイ(プロフ) - あぁ…なんで評価は1回しか押せないの？…って事で更新待ってました！大好きです。これからも頑張ってください。ほんと、大好き、ありがとうございます作品作ってくれて。 (2020年8月7日 19時) (レス) id: 66062cdea4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：絵描きさん
| 作成日時：2019年7月14日 20時
