検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:386,246 hit

24 ページ25

コネシマside


怖かった

ただひたすら、怖ったんや



初めはAのことも

信用なんか出来へんかった


どうせこいつも物珍しいから

拾っただけで


飽きたら今度は遊び始めるんやろな

って決めつけた


俺は染まっちゃいけないと思って

何度もAを拒絶した


あの細い腕にも容赦なく噛み付いたし

他の奴に近づく度に突き放した



俺はあいつになんもしてやれてへん

嫌なことならいくらでもしたけど


それなのに

あいつは俺を嫌わんかった


それが、ロボロや鬱がAを認めてる

何よりの証拠だってことに


俺は出会って数日後にやっと気づいた



嫌なことした分

あいつのためにも、役に立ちたい


そう思っていたのかもしれない


怖いはずなのに

嫌なはずなのに


一番危ない役を買って出た


プレッシャーのかかる大役

普段なら誰かに任せるところなのに


あいつのために何かしたかったんや



もし失敗すれば

あいつらにも、Aにも


もう会えないやろう


最悪俺はまた捕まって

マンちゃん達もずっとこのまま


人間のペットになるんや


そんなん絶対嫌だ

Aの優しさに触れて、今更戻れへん


怖い、怖い



さっきAから励ましてもろたのに

また怖くなってきた


ダクトを進む薄暗い視界が

ぐにゃっと歪む


泣くな

必ず成功するんやから


ずっと練習してきたし


爆弾さえ置ければ

あとは兄ちゃんとこに行くだけや


大丈夫、大丈夫





研究所の一番大事なもの

それは他でもない、研究室だ


ここの研究所は研究室に近接して

管理室が設置されている


研究の成果が全て記録されている


そう、俺達の記録も…



そこには徹底してダクトは

繋がってなくて


その前の倉庫までしかダクトでは

進めない


つまり、研究室へ行くまでは

完全に人目につくことになる


だから危ないんや


この時間は研究を行わない

それは俺達が十分分かっとる




人が通り過ぎるのを確認して

そっとダクトから出る


バクバクと鳴る心臓に急かされるように

研究室へと入っていく



中には…誰もいない



早く置こう

そんでダクトに戻れば勝ちや


kn「はぁ…はぁ、っ」


自然と息が切れる

嫌な汗が額を滑っていく


少し震える手で

Aが作ってくれた巾着を開け


小さいが威力のあるお手製の爆弾を

取り出す


研究室の隣に繋がるドアを開けて

機材の近くにそれを置いた




その瞬間



背後に誰かの気配を感じた

.

25→←23



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (597 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1763人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪見大福(プロフ) - 泣きながら読みました!これからも無理せず頑張ってください! (2021年3月19日 23時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - トマトジュースさん» ありがとうございます!!やっとですね…(号泣)頑張って更新させていただきます! (2019年10月2日 11時) (レス) id: 215c832e11 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - 救出おめでとう(号泣)トン氏がついに心を開くのか……?あとなシッマ…察しちゃダメだ……。察した私も悪いが。えー、これからもですね、はい、更新頑張ってください。無理せず更新おねがいします。 (2019年10月2日 6時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - りつさん» ありがとうございます!! (2019年8月7日 12時) (レス) id: e46d68e377 (このIDを非表示/違反報告)
りつ - めっちゃすきです!!続き楽しみにしてます!!! (2019年8月6日 19時) (レス) id: a91baceb22 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:絵描きさん | 作成日時:2019年4月7日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。