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『お先に失礼します』

「おう、旅行楽しんでな」

『ありがとうございます』


バイトが終わった途端

俺は重い体を動かして走った


あいつはもう例の場所にいるだろうか…


店長には旅行と言っているが

この顔じゃ休養だと思われてるかもな


どっちにしろ休めはしないんだけど



『はぁ…ごめん、遅くなった』

?「ええよ、バイトおつかれ」

『引き受けてくれて助かったよ、詩乃』

詩「弟の頼みだかんな、俺も人皮剥いてやるよ」


目の前にいる男は俺の実の兄で

小学校までは同じ家で育った


両親が別れてからは

別々に暮らしていたが


今はたまに会ったりしている


詩「にしても、お前がペットねぇ…」

『まだ信じられへん?』

詩「まぁなー…」


小さい人間だとは伝えていない

どこから情報が漏れるか分からないから


3日前、ひとらん達の捜索のために

俺がペットを飼い始めたと報告すると


詩乃は大声を上げて驚いていた


詩乃は俺の性格をよく分かっている

だからこその反応だろう


詩「ていうか、なんでそのペット研究所出身なん?おかしいやろ」

『どうして研究所にいたのかは知らないって…あ、ブリーダーの人が…』

詩「ふぅん…?で、研究所に3匹だけ置いてかれて?お前のペットがうるさいからこうやって探してると」

『そんな感じ』


話しながら2人で歩く


話の中身はほぼほぼ嘘だが

これに関しては仕方ないだろう


詩「まぁ話に聞いていた通り、その研究所の目星はつけといたけど…公園で拾ったのが、研究所から抜け出した2日後っつーところがな…」

『かなり遠いところってことだよな』

詩「…分かんねぇ。またまた誰にも見つからずに2日間過ごしていただけなのか、2日かかってやっと着くような遠いところなのか…」


"もしそうなら外国の可能性もあるぞ"


そう続けた

詩乃の言葉に俺は肩を落とした


国内ならまだしも、外国か…


『とりあえず、現段階で可能性のある研究所はいくつある?』

詩「お前のペットみたいなやつを研究所で扱ってるなんて珍しいんだよ。有名な所はまずありえない…可能性があるなら、無名で誰も寄り付かないような小さな研究所だ」

『近くにあるのか』

詩「近場なのはここだけだ」


渡された資料に目を通す


『研究員、およそ25名…保健医2名に、科学者1名…か』

詩「小さい割に人が多いんだよな」

『ありがとう、この写真も借りるぞ』

詩「おう」



ここであってくれと期待を込めて


俺は家への道を急いだ

.

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雪見大福(プロフ) - 泣きながら読みました!これからも無理せず頑張ってください! (2021年3月19日 23時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - トマトジュースさん» ありがとうございます!!やっとですね…(号泣)頑張って更新させていただきます! (2019年10月2日 11時) (レス) id: 215c832e11 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - 救出おめでとう(号泣)トン氏がついに心を開くのか……?あとなシッマ…察しちゃダメだ……。察した私も悪いが。えー、これからもですね、はい、更新頑張ってください。無理せず更新おねがいします。 (2019年10月2日 6時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - りつさん» ありがとうございます!! (2019年8月7日 12時) (レス) id: e46d68e377 (このIDを非表示/違反報告)
りつ - めっちゃすきです!!続き楽しみにしてます!!! (2019年8月6日 19時) (レス) id: a91baceb22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絵描きさん | 作成日時:2019年4月7日 11時

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