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『この子は…？』
「レイ。あなたとは2歳差ね、しっかりお姉ちゃんするのよ？」
『レイかぁ…よろしくね』
なんだこれ
A…？
いや、違う
Aは死んだんだ
これは…そうだ
俺の赤子の記憶
初めて会ったあの日の記憶だ
『レイ、元気に育ってね』
そうか、夢なんだ
死んだあの人はもういないから
『こらレイ、そんなにご飯残して…仕方ないなぁ、レイは』
「…A」
『！…名前覚えてくれた？嬉しい！』
覚えてるよ
俺の世話してたのはあんただ
たった2歳上ってだけで
あんただってまだ4歳のくせに
『レイ、こっちにおいで』
「？」
『本を読んであげる』
まだ舌っ足らずで
ろくに読み聞かせなんて出来ないくせに
『レイ、たまには鬼ごっこしよう？』
「いい」
『…本が好きなわけじゃないのに』
「うるさい」
俺に本を読ませたのは
あんただろ
いつだって図星を突いて
俺を苛立たせる
『ねぇレイ、これどうしたの？』
「…なんでもない、引っ掻いただけ」
『そう…ママにはもうバレているんでしょう？早く手当してもらいな』
「………」
なんでもお見通しで
些細なことでも隠せない
面倒くさくて嫌いだった
その日
ママが本当のママだと分かった日
耳の傷にすら気づかれた
この人はなんでも知っているんだ、と
嫌な存在だった
計画の邪魔になるほど
『レイ、レイは気づいているでしょう？ハウスの本当の姿』
「…え」
『私の名前を覚えていた時から思ってたの、もしかしたらそういう体質なのかなって』
この人はなんでも知っている
それは間違っていなかった
なんでも知っていた
なんでも分かっていた
俺がママの本当の子だってことも
俺がエマ達を
逃がしたいと思っていることも
彼女には手に取るように分かるんだって
『レイ、みんなには内緒ね？…私の里親が決まったの』
「…へぇ」
『来月だって、私の誕生日の日。あと1ヶ月…沢山遊ぼうね、レイ』
「…やだよ、俺じゃなくたって弟妹はいっぱいいるだろ」
『そうなんだけどね…うん、レイらしくてなんか好き。遊ばなくていいから、せめて一緒にいて？』
「……分かった」
何が遊ぼうだ
何が一緒にいてだ
あんたが一言
逃げたいって言っていれば
今頃こんな、こんな夢なんて
見ることはなかった
あんたを救えなかったと
嘆くことも
あんたを救いたかったと
後悔することも
悲しむこともなかったのに
.
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カノ(プロフ) - じゃあ、続きを楽しみに待ってます！ (2019年3月14日 10時) (
レス) id: d6abf00e0c (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - カノさん» ネタバレになっちゃうと面白くないので、今後のお楽しみです〜(´∇｀) (2019年3月13日 21時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
カノ(プロフ) - これって夢主はもう、死んでるってことですか？それともゴールディポンドとかで生きてるんですか？ (2019年3月13日 19時) (レス) id: d6abf00e0c (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - 五月七日さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年2月23日 15時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - 面白いです！続きが気になります。応援してます！！ (2019年2月23日 15時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2019年2月15日 11時
