夢 ページ36
「仲直りしよっか」
『…え』
「このままだとずっと気まずくなっちゃい
そうだもんね」
『そ、うだね』
私から言おうと思ってたのに
まさかいっちゃんから言われるとは思わ
なかった
「僕気まずいのやだし…ね？」
『うん…』
いっちゃんのこういうところ
たまに出るこの紳士なところが私は昔から
好きだ
多分私の気まずいですオーラを分かって
言ってくれたんだと思う
彼は気の利く男の子だ
きっと彼女が出来たら一途に愛して
長くその人と過ごせるんだろうな
「あのねAちゃん。僕悔しいんだ」
『え…何が？』
「僕は夢に向かって進めるのに、君は壁が
邪魔して進めないことに」
それは個性の有無を表している
それはすぐに分かった
いっちゃんにあって私にないものは
他にもあるのにね
「でも、もし何か力があるなら、壁を壊せる
はずだから」
力があっても他が足りないんだよいっちゃん
いっちゃんには全部あるんだ
勇気も人を助けたいっていう心も
私には足りてない
「まだ覚えてる？幼稚園の頃に将来何になり
たいか先生に言ったやつ」
『うん』
「みんなヒーローになりたいって言ってて
みんな同じじゃつまんないってAちゃん
言ったよね」
『そうだね』
もう10年近く前なのによく覚えてるね
いっちゃんも私も
「Aちゃんさ、僕と一緒にヒーローに
なるって言ったんだ。2人でヒーローになって強い敵を沢山倒すんだって…」
『……』
「僕その時凄く嬉しかった…もう個性がない
って分かった時だったから尚更」
『実際には私も無個性なんだけどね』
「僕まだ諦めたくないんだ…Aちゃんと
ヒーローになりたい。僕だけなんて嫌だ。
Aちゃんと一緒がいい」
そんなの私だって一緒がいいよ
いっちゃんとした約束は全部守りたい
ヒーローなりたいよ
けど無理だ
個性がないのにヒーローなんて出来ない
「だから検査受けてほしい…例え1％の確率
でも」
『……』
「Aちゃんだって…ヒーローになりたい
んでしょ？」
『…でも』
「っ夢は！叶えるためにあるものだ！！」
『！？』
いっちゃんがこんなこと言うなんて初めてだ
あの弱気ないっちゃんが…
個性ってすごいな
人まで変えられるの？
「夢叶えようよ…一緒に」
『……クスッ…ロマンチストみたい』
こうして私はいっちゃんに上手く丸め込ま
れた訳だ
.
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絵描きさん(プロフ) - 小悪魔たんさん» わわわっありがとうございます！！頑張って更新します！！ (2017年7月3日 22時) (
レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔たん(プロフ) - こんなところで終わらないでーー！！早く続き見たい！気になりすぎて屍になりそう！！更新待ってます！！ (2017年7月3日 22時) (レス) id: 4e132bba18 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - かなさん» ありがとうございます！ (2017年7月2日 16時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
かな - コメント失礼します。 すっごく面白いです！続きが気になります。これからも頑張ってください！ (2017年7月2日 16時) (レス) id: f6f98cfd4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2017年5月1日 2時
