必死 ページ28
緑谷side
「やめてよ！」
気付いたら声に出ていた
突然の事で驚いた顔をしたAちゃんが
僕の様子を伺ってる
「…僕、今日は帰るね。また明日」
逃げるのはよくない
分かってるけどそうせずにはいられない
これ以上はだめだ
言ってしまったら全てが終わりなんだ
僕は急いでドアへ歩いた
出ようとドアを開いた時
「待って」
Aちゃんだ
僕は震える手を握って止まった
「…いっちゃんが言いたくないなら
詳しくは聞かないよ。でもせめて
言えない理由は教えて？」
言えない理由
Aちゃんに嫌われるかもしれないから
言ったらもう、後戻り出来ないから
言ったらAちゃんを置いていくことに
なるから
理由なんて沢山ある
けど1つ言うとしたら
「…Aちゃんと友達でいたいから」
僕は廊下をずっと見て
目を合わさずに言った
後ろのAちゃんがどんな顔してるのか
分からないけど
ふっと笑った声がした
恐る恐る振り返るとAちゃんが
1人で立とうとしていた
「えっ！ちょっ！だめだよまだ！！」
急いで駆け寄って
ベッドから落ちそうなAちゃんを
支える
Aちゃんはごめんと言って笑った
「…なんで」
まだ治ってない怪我も多い
伊達に屋上から飛び降りたんだ
手足の負傷は酷いはず
そこまでして僕を止めたかったのか
「いっちゃん、私ね」
もう1度ベッドに横たわり落ち着いた
Aちゃんは喋り出した
「絶対一生離れない自信があるの
いっちゃんやかっちゃんと」
1度死を選んだ人の言葉とは思えないほど
力強い言葉だった
「どんな事があってもかっちゃんから
離れなかったように、どんな事を言われ
てもいっちゃんと一緒にいるよ。
ずっと後悔してたの、いっちゃんを置いて
行ってしまったこと」
後悔
僕だってしたさ
かっちゃんが悪いと誰もが言っても
Aちゃんを止められなかったのは
紛れもない僕なんだから
「だから何でも言って欲しかった。
置いていってしまった事への償いみたいな
感じで」
ニカっと笑い僕へ手を伸ばす
僕の手を触れると力なく握った
そう
本当はこれくらいの力しか入らないんだ
それなのにあんな無理に立とうとしたんだ
それを分かってるから
僕はその手を振り払うことが出来なかった
.
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絵描きさん(プロフ) - 小悪魔たんさん» わわわっありがとうございます！！頑張って更新します！！ (2017年7月3日 22時) (
レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔たん(プロフ) - こんなところで終わらないでーー！！早く続き見たい！気になりすぎて屍になりそう！！更新待ってます！！ (2017年7月3日 22時) (レス) id: 4e132bba18 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - かなさん» ありがとうございます！ (2017年7月2日 16時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
かな - コメント失礼します。 すっごく面白いです！続きが気になります。これからも頑張ってください！ (2017年7月2日 16時) (レス) id: f6f98cfd4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2017年5月1日 2時
