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『親睦会?』
「あぁ。お前がこっちに入ってきて1年以上経ったが、まだ馴染めてないそうじゃないか」
『それは、仲良くする必要はないと私が思ったからですが』
「班は違えど同じ公安だ、いつか協力を仰ぐ必要も出てくる。いつまでも頑なに拒んでいると向こうからの信頼も落ちるし、肩身が狭くなるものだ」
『それで他班と飲みにでも行こうってなったんですね…』
呆れたようなため息が漏れるくらいの
呆れ具合で風見さんを見つめる
警察学校時代からこの人は
ドがつく程のクソ真面目だった
流石と言うかなんと言うか
お人好しで世話焼きなのがいい所だけど
『せっかくですけどお断りします』
「なっ……お前はもっと人を信用した方がいいぞ」
『降谷さんに風見さんもいるのに他の誰と仲良くしろって言うんですか。知ってると思いますけど、私は本当に尊敬している人以外と話す気はないですから』
「せめて上の人らとは話してくれよ…」
呆れ顔で風見さんを見ていた私に変わって
今度は風見さんが呆れたように私を見た
そんなに心配しなくても
いい子ちゃんを演じるのは得意ですから
上にはいい顔見せますよ
『そう言えば、降谷さんも昔は生意気だったって聞きましたけど』
「あぁ、あの人も最初は交番勤務の普通の警察官だったからな…それから上に見初められてどんどん上がってきて、周りはよく思ってなかったらしい」
『想像つきますね…』
「今思えば確かにピリピリしてた気がするな…年下上司って肩書きにあの目立つ見た目。今でこそ尊敬されているが、あの頃は誰もが馬鹿にしていたよ」
そう思うとやっぱり凄い人なんだ
あの年でこの公安を仕切る
指揮官なのだから
私と初めて会った時はもっと
少年らしかったけど
貫禄が出たみたいで
大人らしいし
風見さんなんかとはまた違った
かっこよさがある
それに尊敬しかされていないくらいの
支持の高さ
全てがあの人の魅力なのだろう
「ただ…」
『?』
「…今になっても、まだ反感を持っている部下が公安にいるってことが少し心配だな」
『反感…降谷さんに楯突く人ってのも見てみたいですけどね』
「馬鹿言うな。降谷さんの部下に降谷さんを認めていない奴がいるってことだぞ」
『………』
10年前から降谷さんただ一人を
追ってきた身としては
降谷さんに反感を持つなんてこと
ありやしないしありえない事だけど
降谷さんを認めてない人がいる
その事実に
酷く腹が立った
.
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作者名:絵描きさん | 作成日時:2018年5月27日 1時