聞くよ ページ6
『かっちゃん…』
一度出た涙はなかなか止まらない
いつも着ている黒のタンクトップでそれを
何度も拭いているが彼の目は潤んだままだ
「おれ、は…お前を守ってるつもりだった
んだ…俺がお前の、その変な感情の対象に
なってれば…他の奴にお前がそれをやること
はねぇと思って…」
『他の人のため…ってこと？』
「ちげえ…」
嗚咽混じりの声も安定してきたのか
涙も止まっていた
少し鼻を赤くしたかっちゃんは私の顔を
しっかり見た
今までかっちゃんにこうやって見つめられた
ことないからかな
なんか新鮮…
「俺は…ただ利用してたんだ」
『？…どういうこと？』
「お前のその執着に俺が執着してた…
お前が近くにいるのを利用して、俺の利益
にしようとしてたんだ」
『……』
「デクとは違う。こいつも引っ付きてきた
けど、そうじゃないんだ…お前が…お前の
欲しがるものは俺なんだって、だから俺は
誰よりもすごいんだって…」
『周りに見せつけてやりたかった？』
「……でもお前がもうやめにするって言って
俺から離れてって…よく分かんなくなった」
『？かっちゃん？』
「俺は悪くねぇって思いたかった…けど、
どう考えたって俺がお前に何言っても大丈夫
だって、あんなこと言ったせいでっ」
『もういいよかっちゃん…もう分かったから
それ以上言わなくていい』
今まで溜め込んでいたのかな
柄にもなく自分を責め始めたかっちゃんは
ひどく辛そうだった
こんなこと言われるなんて思わなかった
利用してたってのは初耳だけど
そっか…
自分のために…か
かっちゃんらしいと言えばらしいな
「…お前はもう…俺がいなくてもいいのか…
もう、要らねぇのか…？」
『かっちゃん？…そんなことないよ、離れた
のはかっちゃんの迷惑になりたくなかったし
かっちゃんの隣に立てる自信がなかったから
だもん…要らないなんてこと、ない』
「…なら…あの時の言葉撤回しろ」
『え…』
「撤回」
『な、なんで…？』
なかったことにってことだよね？
いや、それじゃ前と同じじゃない
かっちゃんにたくさん迷惑かけちゃうし
また諦められない…
「いいからしろよ…別に迷惑とか思ってない
っつーの」
なんならもう怒んねぇから
と続けるかっちゃんは真剣な顔だ
『わ、分かった…撤回する…』
それに押されて私はそれを承諾した
.
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絵描きさん(プロフ) - ぽむぽむさん» マジですか！？応援もありがとうございます！頑張ります！！ (2017年9月26日 23時) (
レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむ - ひっさしぶりに、泣きました！これからも応援してます！頑張って下さい！ (2017年9月26日 22時) (レス) id: e5636f0ae6 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - 黎明期さん» ありがとうございます！頑張ります！方言ですか？可愛いですね！可愛い方言の子、憧れます！ (2017年8月18日 11時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
黎明期(プロフ) - ぎゃん面白か〜(*´ω｀*)私には文才とか無かけんがら憧れます！応援しとりますので、頑張って下さい！ (2017年8月18日 1時) (レス) id: a3b6f0f500 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - 睦月さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2017年8月15日 1時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2017年7月29日 23時
