ヒーロー ページ44
『お兄さんも、ヒーローになりたかった？』
「！！……俺が…？そんなわけない、俺はヒーローなんて大嫌いだ。救えていない命があるというのに、人を助けたって結果に満足して笑う…そんなヒーローは特に」
『お兄さんはヒーローに助けてもらえなかったの？』
「そうだ…どんなに助けて欲しいって思っていたって、表沙汰にならないと助けてなんかくれない。気づいてさえくれない…辛いままだ…」
『そうかな？私はそうは思わないよ』
「何言ってるんだ、こんなにボロボロになってるのに助けてくれないんだぞ」
瞳を微かに揺らした男の声は
少しの怒りを含んでいた
『確かに私を助けてはくれないけど、でもそれは私が悪いんだもん。ヒーローは悪い奴らから皆を守ってくれる…けど、自分が悪いのに助けてなんて言ったら、ヒーローは困っちゃう』
「…は？」
『神様も悪い子は助けてくれないんだよ。私は無個性で生まれてきちゃった悪い子だから、いじめられても助けてなんて言えないよ』
その頃、お父さんはお母さんと仲が悪く
なってきて
私への暴言も少なくなかった
なにより、大好きなお母さんが
悲しそうに笑うのが嫌だった
その原因が私だと気づいて
ショックを受けた
私が無個性じゃなかったら
今も家族みんなで仲良くしていたんだ
私が無個性で生まれてきちゃったから
お母さんが悲しむんだ
無個性で生まれてきちゃったから
お父さんがお母さんを叩くんだ
無個性は私にとって
罪だった
一生償うことの出来ない
悪いことだった
だから、あの男は私を…
「…分かった、殺さない…けど、いつかお前は耐えられなくなる。絶対に」
『…うん、私もそう思う』
「……だから、その時は俺が殺してやる。俺の個性は、お前を殺せる」
『じゃあ約束しよう？私が死ぬ時はお兄さんに殺してもらう』
「あぁ…約束だ。絶対に守れよ、忘れるな…次に会う時まで」
『うん！約束って私好きなの』
「…俺も好きだよ。約束さえ守れば、必ず望んだ未来になるから」
『未来…？』
「約束ってのはお互いの希望を叶えるために誰かとするもんだろ？つまり、お互いが約束を守ればお互いの希望が叶う。望んだ未来になるってことだ」
『そっか…』
「だから約束は、叶えるもんじゃなくて守るもん。守りさえすれば、自分の未来になるんだから」
10年以上前
まだお互い幼かった
けど、良くも悪くも
この時のお兄さんはいい人だった
私を助ける、いい人だった
.
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絵描きさん(プロフ) - ぽむぽむさん» マジですか！？応援もありがとうございます！頑張ります！！ (2017年9月26日 23時) (
レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむ - ひっさしぶりに、泣きました！これからも応援してます！頑張って下さい！ (2017年9月26日 22時) (レス) id: e5636f0ae6 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - 黎明期さん» ありがとうございます！頑張ります！方言ですか？可愛いですね！可愛い方言の子、憧れます！ (2017年8月18日 11時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
黎明期(プロフ) - ぎゃん面白か〜(*´ω｀*)私には文才とか無かけんがら憧れます！応援しとりますので、頑張って下さい！ (2017年8月18日 1時) (レス) id: a3b6f0f500 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - 睦月さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2017年8月15日 1時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2017年7月29日 23時
