哀しいね ページ43
10年前の私は
ひどく弱い人間だった
『ひっ、うぅ〜、っ』
自分が無個性だと判明し
大好きな人から軽蔑された
毎日のように"無能" "出来損ない"
そう暴言を吐かれ
毎日のように泣いて家路につく
時には調子に乗ったガキに
いじめられ怪我をした
かっちゃんは守ってなんかくれなかった
社会の現実、地獄のような日々を味わった
たった5歳の私は
あの日も泣きながら擦りむいた膝を
庇って歩いていた
『っ…やっぱり、私はダメなんだ…』
5歳、まだ幼すぎる年齢にも関わらず
私は生きる意味を失っていた
個性がないなんて論外
ヒーローにはなれない
その常識が頭にこびりついて
離れなかった
そんな時、出会ったのだ
「そんなに辛いなら死ねばいいよ」
当たり前のように提示してきた案は
異常なものだった
『お兄さん誰？』
「そんなことはどうでもいいことだ」
『…死ねばいいって言うけど…でも、どうやって？』
「簡単さ、俺が殺してやるよ」
『お兄さんは殺すの怖くないの？』
「怖いに決まってるだろ？誰だって怖いと思うものだよ」
『…？』
心無い言葉を吐く割に
殺すことを怖がるその男の目は
私よりもずっとずっと
死んでいた
怖いと言う割に
その顔には悲しさしかなかった
「けどね、本当に憎んでいて殺したいと思う人にだけは嬉しいと思うんだ。あぁ、やっと殺せるって」
『じゃあお兄さんに私は殺せないよ。だって今知り合ったばかりだもん』
「そうかな？怖いと思うだけで、殺せないわけじゃない。君が死にたいならそうすればいい」
『…でも』
そこまで言って止まった
死ねるなら死んでしまいたい
そう思っていたから
けど、私は思い止まった
『殺さなくていいよ』
「逃げるのか？」
『ううん、違うよ。お兄さんが私を殺したら、お兄さんヴィランになっちゃうから…。私ね、ヒーローになりたかったの。だからお兄さんをヴィランにはさせたくないな』
「もう遅いよ、俺はもうれっきとしたヴィランだ」
『じゃあどうして怖いのに私を殺そうとしてくれたの？』
核心を突くようにじっと目を見る
ビクッと揺れたお兄さんの肩に
確信した
.
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絵描きさん(プロフ) - ぽむぽむさん» マジですか！？応援もありがとうございます！頑張ります！！ (2017年9月26日 23時) (
レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむ - ひっさしぶりに、泣きました！これからも応援してます！頑張って下さい！ (2017年9月26日 22時) (レス) id: e5636f0ae6 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - 黎明期さん» ありがとうございます！頑張ります！方言ですか？可愛いですね！可愛い方言の子、憧れます！ (2017年8月18日 11時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
黎明期(プロフ) - ぎゃん面白か〜(*´ω｀*)私には文才とか無かけんがら憧れます！応援しとりますので、頑張って下さい！ (2017年8月18日 1時) (レス) id: a3b6f0f500 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - 睦月さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2017年8月15日 1時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2017年7月29日 23時
