未来 ページ29
あれから轟さんは
私を宥めるように背中を擦り、大丈夫と
言い続けた
泣き止んだ私に轟さんは意を決したように
ある話をした
「これは言うつもりなかったんだが…お前には言うべきだと思ったから言う」
「俺の親父エンデヴァーは、オールマイトにかなり執着っつーか、嫉妬っつーか…自分が2番目なのが気に入らねぇらしい」
「自分じゃオールマイトを超えられないから、俺にその役をやらせるつもりなんだとよ、アホらしいよな」
『お父さんの役…？』
「俺はオールマイトを超えさせるために生まれた子供だ、母の親族を丸め込んで母の個性と自分の個性を継がせて、な」
『…それってもしかして…個性婚…？』
「あぁ」
『そんな…』
「あいつにとっては道具かなんかなんだろ、別にそうだからどうこうって話じゃねぇけど」
「つまり何が言いたいかってーと、俺達同じだなってこと」
『同じ…私と轟さんが？』
「俺はあいつにオールマイトを超えさせるために生まれてきた、お前は父親がなれなかったヒーローにならせるために生まれてきた、そうだろ？」
『……うん』
私と轟さんは同じ
憧れや希望でヒーローを目指すのではない
するべき何かのためにヒーローを目指す
クラスメイトの中でもきっと私達だけだろう
「それから、もう1つ」
少し微笑んだ轟さんは優しい目で私を見た
「俺はあいつがそういうつもりだったとしてもあいつの思い通りになるつもりはねぇ」
『…え』
「オールマイトは超えるつもりだ、ただ親父の個性は使わずに、な」
『どうして？』
「こっちの力を使わずにオールマイトを超えたらあいつを否定できるだろ」
だから…と続けて轟さんは私の腫れた目元を
指でなぞった
「だから、お前も別に約束にこだわらなくていいんじゃねぇか？」
「ヒーローになればそんなの関係ねぇ、約束なんかなくたってヒーローにはなれる、ヒーローになるのは約束じゃなくてお前の未来だ」
いつかの哀しい人が言ったそれと重なった
あの人も同じことを言った
そうだ、ただの未来なんだ
ヒーローになるのは私の未来
約束じゃなくて私の望む未来だ
『ありがとう轟さん』
「焦凍でいい」
『…ありがとう、焦凍』
「あぁ」
私を助けた彼はもう
私の中ではヒーローだった
.
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絵描きさん(プロフ) - ぽむぽむさん» マジですか！？応援もありがとうございます！頑張ります！！ (2017年9月26日 23時) (
レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむ - ひっさしぶりに、泣きました！これからも応援してます！頑張って下さい！ (2017年9月26日 22時) (レス) id: e5636f0ae6 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - 黎明期さん» ありがとうございます！頑張ります！方言ですか？可愛いですね！可愛い方言の子、憧れます！ (2017年8月18日 11時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
黎明期(プロフ) - ぎゃん面白か〜(*´ω｀*)私には文才とか無かけんがら憧れます！応援しとりますので、頑張って下さい！ (2017年8月18日 1時) (レス) id: a3b6f0f500 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - 睦月さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2017年8月15日 1時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2017年7月29日 23時
