本当の気持ち ページ12
ネオンナイトside
アナスタシア嬢に求婚した数日後。俺は教室から見える中庭で従者とお茶をしている彼女を見ていた。
信じられないかもしれないが俺は彼女に恋をしているようだ。
最初はほんとにただの興味だった。男に群がられて笑顔ひとつ見せない女は初めて見た。だから婚約者にはちょうど良かったんだ。
けれどいつの間にか、彼女の姉や従者にしか見せない笑顔に心を奪われていた。いや、もっと前から俺は彼女に惹かれていたのかもしれない。
だが、今更どう言えばいい。あんな求婚をした後に好きだと言われても信じるわけない。俺は信じない。
今日何度目かのため息をつくと、留学に連れてきていた従者「カイン」がニヤニヤしながら俺を見る。
カイン「潔く真実を伝えて玉砕すればいいんすよ」
ネオン「何故玉砕前提なんだ…!」
カイン「え!まさか上手くいくと…!?あんな求婚した後に好きだと言われても信じるわけないじゃないっすか!今やアナスタシア様のネオンナイト様への評価は最低っすよ!!」
カインの言葉が何度も心に刺さる。
確かに初めこそ最悪だったが……もうチャンスは無いのだろうか。あの綺麗な笑顔が俺に向く日は来ないのだろうか。
ーー
あれから数日後の夜会。エスコートをするが、俺の口から出てくる言葉はトゲトゲしく、好意を持っている女に発する言動じゃない。素直になれない俺にカインは後ろで笑いをこらえている。
物思いにふけっているとアカリとかいう女にダンスを誘われた。アナスタシア嬢はどう思っているのだろうとチラリと見ると、こちらを一切見ずにニコニコ笑っていた。心に蟠りができたのを感じながらダンスを了承した。
ダンスを始める前にアナスタシア嬢を見ると、どこか悲しそうにベランダへ向かっていた。
何故悲しそうな顔をしている?
俺がこの女と踊るから……?
それは期待してもいい感情なのか?
兄貴だったら…どうしている?
兄貴なら彼女を笑顔にできる?
できるよな。いつだって兄貴は優しくて強くて…俺と違って優秀で気がきいて…
ふざけるな。俺はあいつになんか負けない。チャンスは有るか無いかじゃない、作るものだ。そうだ、最初の無礼なんか超消しにするほどのことをすればいいんだ。
一年後には損得じゃなく、ちゃんと求婚して彼女を手に入れる。
絶対に振り向かせてみせる。
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ポウ(プロフ) - また更新してほしいです。楽しみにしてます! (1月25日 22時) (レス) id: 4b00597d9c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 更新楽しみにしています!頑張ってください(*´艸`*) (2021年7月26日 1時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
sandklove27(プロフ) - 好きです!夢中で読んでて睡魔も忘れ夜更かししてしまいました!続きが楽しみです(^ ^)更新楽しみに待ってます!! (2020年8月16日 23時) (レス) id: 31853c290c (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福 - 続きが楽しみです。2でお願いします。 (2020年6月14日 10時) (レス) id: 7f3ea4f68c (このIDを非表示/違反報告)
ゑる(プロフ) - アンケートにご協力いただきありがとうございました!!近々続きを投稿します! (2020年4月11日 15時) (レス) id: 7fc3612902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゑる | 作成日時:2019年9月15日 12時