4話目 ページ5
また今日も落ち葉掃除...本当に辞めたいよ...
今日もいつもと同じように箒を持って落ち葉掃除をする。ここは何故か知らないけど年がら年中落ち葉が落ちている。
だから僕は落ち葉掃除しか仕事がない。落ち葉を箒ではいては集めて袋に捨てる。それの繰り返しだ。
でも、落ち葉掃除をしている時でも僕はある事が頭から離れなかった。
そう...あの少女のことだ。たかが神社を案内しただけなのに、僕は彼女の顔が忘れられなかった。
こんなに一人の人間に心を動かされたのは初めてだった。なぜだか知らないけどあの少女の顔を思い浮かべると胸が苦しくなる。
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...何なんだろうな。この気持ちは...
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...よし。これで最後だ。
最後の落ち葉の山を袋の中に入れて、僕はそう呟いた。
今日は風が少し強かったから集めるのが大変だったな...
袋の口を閉めようとした瞬間、落ち葉が1枚袋から出てしまった。
いつもなら放っておくのだが、なぜだか落ちた葉の所へ足を運んだ。
落ち葉を見つけ手で拾おうとした瞬間...
ひとつの綺麗な手が見えた。
顔を上げてみると...
『...こんにちは。また会いましたね。』
目の前にはあの時の少女がいた。つぶらな瞳で僕のことを見つめていた。
僕は驚きを隠せないでいた。もう会えないと思ってた人にまた会えた...
嬉しさのあまり少し泣きそうになった。...やっぱり、この子は僕の中の何かを変えてくれる。そんな気がした。
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作者名:松理 | 作成日時:2018年10月1日 17時