revenge【tkrv】

revenge 01 ページ2

.


ミーンミーン


『次のニュースです。
兼ねて激化している東京卍會の抗争が、ついに無関係の
一般市民を巻き込む事態へと発展しました。』


「嘘だろ…マジか、怖ぇー。」



『現場で死亡が確認されたのは、東京都・渋谷区に住む゛橘直人゛さん25歳と同じく、東京都市内に住む橘さんの姉、゛橘ヒナタ゛さん26歳。』


音量を上げるリモコンの手を思わず止めた。
橘ヒナタ？




中学時代の親友、橘ヒナタが死んだらしい。
不思議と喪失感も湧かず、涙も溢れてこない。




ドンドン！


変な感覚に浸(ひた)っているとドアを力強く叩く音がした。


はぁ…またあの人かな？




『ちょっと！いるんだろ！？』

やっぱり。



憂鬱な気持ちでドアを開け、顔を覗かせる。


『何度言ったらわかるんだい！テレビの音がうるさいよ！！』

「…すみません。」



近頃の若い奴は…とブツブツ言いながら去って行くオバサンを終始眺める。


…テレビの音より私の隣に住む万 年 発 情 期カップルのほうを注意してよ！！


…と思ったそばから、いやらしい声が聞こえてきた。
もうバイト行こう。




『全く何度、同じこと言わせるんですかねー。』

気だるそうで、呆れた声音で言う店長。


『花垣Aさん。』

「あはは…。」


思わず苦笑いを浮かべてしまう。
DVDが、うんぬんかんぬんって…。


「すいま『はーい、謝るだけー。』…。」

最後まで言わせてよ…。



はぁ…。

やっとバイトが終わり、溜め息を漏らす。
どうして私生活と仕事が上手くいかないんだろう？




『あははっ！』

子供の笑い声がしたほうに目線を合わせると3人の子供が人の車に腰かけていた。



(あれ駄目でしょ…。)

…と思ってもヘタレな私は、注意出来ない。



『オイ、オバサン！何か文句あんの？』

「えっ、いや…。」



ビックリしたぁ…。
オバサンって…まだ26歳なんだけど。



『アハハッ！バーカ！』

囲まれたと思えば、車に傷を付けて走って行った。
これまずいぞ、本当に…。




『オイ、何やってんだ！？』

「！！」


ヤバイッ！！

私のせいにされると思い、猛ダッシュで逃げた。



はぁ…。

子供にも揶揄われる私って…。


revenge 02→

revenge 02→←revenge 00

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す