2. ページ33
「随分と急な話ね……」
あまりにも震えた声だったから静かに問いかけたら、ナギサは泣きじゃくりながら言った。
「うん………急だけど、決めたの。あのね姉さん……大切な人は……何があっても守らなきゃいけないの」
「そう……」
それまで震えていた声がそこだけ妙に大人びて響いた。
『守らなきゃ』
だからその時、ナギサは本当に大切な人を見つけて大人になったのだなと感じて……それ以上は追求しなかった、いえ出来なかったのだ。
……そのナギサの大切な人が二宮さんだったってこと？
ナギサは芸能界に居たのだし二人は歳も近いので接点はあったのかもしれない。
「姉さん心配しないで……私は大丈夫だし落ち着いたら連絡するね？」
そんな風に言っていたけれど、それから彼女からの連絡はない。
どうやらあのあとすぐに元々住んでいた海外へ行き……そのあとは転々としているらしい事は叔母からそれとなく聞いているけれど。
(相手がアイドルだから姿を消したの？)
詳しくは分からないが、仕事柄恋愛がご法度なのだろう。
その守るために離れたナギサを取り戻したいと言う二宮さん。
(よほど大事なんだろうな……)
覚悟を持って迎えることにしたのだろうか？
だとしたら私に好きだなんて嘯かないで、ストレートに聞けばいいのに。
回りくどすぎやしないか。
二宮さんが本気でない事はわかっていたくせに、無駄にドキドキしてしまい面白くない自分がいた。
(バカみたい……)
はぁとため息をつくと一気に疲れが押し寄せてきて
……ずるずるとその場に座り込んでしまった。
バレンタインのイベントも終われば二宮さんたちと会う事もなくなり、あの日から3週間が過ぎて……急に事態が動き出した。
ナギサが帰国したとの知らせが叔母から入ったのだ。
「A……あのね？ナギサが帰国したの……」
「うん……そっか帰ってきたんだ」
「ええ……それで……」
「どうしたの？」
とても歯切れが悪そうな口ぶりに聞き返すと叔母は重い口を開けた。
「病気が悪化して帰国したの……もう、長くないかもしれない……」
「えっ……」
病気？ナギサが？
これは二宮さんに知らせるべきだろうか……けれど勝手にして良いのか迷い、まずは私が会って確かめようと、叔母にナギサに会いたい旨を伝えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梨湖(プロフ) - めぐぽん(*´･∀･)さん» めぐぽんさん。わ、ごめんなさい！間が空きすぎて……書きすぎなんだよねアチコチ（汗）でも止まらなくて困ってます……予想どうでしたかね？ふふ、こっそり私だけに教えてください（笑）なんてね (2019年7月12日 14時) (
レス) id: 62ecb84a75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´･∀･)(プロフ) - んふ(°▽°)最初から、読み直しちゃった！これって…もしかして…って、ずっと思ってるんだけど分からないですね。次も楽しみに待っております！ (2019年7月10日 23時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
梨湖(プロフ) - めぐぽん(*´･∀･)さん» めぐぽんさん。フフフ、どうなんでしょう？ダラダラしていてごめんなさいね、寸止めだよね←こら……これから明かしていくのでそこまで頭の中に頑張ってもらいます！コメントもお気遣いも嬉しいです！有難うございます！ (2019年5月20日 8時) (レス) id: 62ecb84a75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´･∀･)(プロフ) - んとんと…もしかして、二宮さんじゃないのかなぁ？とか、主人公ちゃんの勘違いかなぁ？とか思ったりしながら読ませていただきました！忙しいみたいなので、ゆっくり次を待たせていただきます(≧∀≦) (2019年5月19日 21時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
梨湖(プロフ) - めぐぽん(*´･∀･)さん» めぐぽんさんコメント有難うございます。色々気になりますか？フフ、またしても面倒くさいの書いてますがゆっくり続き書きますのでよろしければお付き合いください。 (2019年4月23日 7時) (レス) id: 62ecb84a75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：梨湖 | 作成日時：2019年1月1日 17時
